SCOOBIE DOの結成20周年記念シリーズ、いよいよ最後になりました。先輩・フラワーカンパニーズを迎えて好評を博した対談企画の第2弾、スクービーの可愛い後輩・THE BAWDIESを迎えてのメンバー全員インタヴュー! THE BAWDIESのインディー時代からすでに交流があったということで、お互いに思うところも多くある模様。THE BAWDIESが見せるスクービーへのリスペクトや、両者共ガレージ・ロック~ロックンロールをルーツにしていながら、それぞれまったく異なるアプローチでその血を体現していることについてなど、興味深い話が多く飛び出しました。ぜひご覧ください!
★SCOOBIE DO×フラワーカンパニーズのスクービー20周年対談はこちら
【参加メンバー】
from THE BAWDIES
ROY(ヴォーカル/ベース)
JIM(ギター)
TAXMAN(ギター/ヴォーカル)
MARCY(ドラムス)
from SCOOBIE DO
コヤマシュウ(ヴォーカル)
マツキタイジロウ(ギター)
ナガイケジョー(ベース)
オカモト“MOBY”タクヤ(ドラムス)
THE BAWDIESは〈俺たちはロックンロール・バンドなんだぞ!〉という思いが一人一人から出ている(ナガイケ)
――SCOOBIE DOとTHE BAWDIESはいつ頃からのお付き合いなんですか?
ROY「僕らがまだインディーズの頃ですね、2007年~2008年あたり」
――というとTHE BAWDIESの初期にもう出会っていたんですね。
マツキ「僕らがちょうど(独立して)自分たちでツアーを組むようになった頃にTHE BAWDIESがインディーでやりはじめて……という時期だったと思うんだけど」
MOBY「いまのTHE BAWDIESのマネージャー氏がもともとthe NEATBEATSのマネージャーをやっていて、その縁で早くからTHE BAWDIESの音源はもらっていたよね」
ROY「初めて聞きましたその話!」
マツキ「まだデビュー前だったのに、とにかく女の子のファンが凄かった。別のバンド主催のイヴェントなのにほぼTHE BAWDIESのお客さんだろ、みたいな時があったりして(笑)」
ROY「いやいやいやいや(笑)」
――THE BAWDIESの皆さんは、出会う前からSCOOBIE DOの音楽は聴いていたんですか?
ROY「もちろん聴いてきました。僕らが学生の頃にガレージ、ロックンロールとかそういう音楽に興味を持ったんですが、日本には同じようなルーツを持ったバンドはいないだろうと思ってたんです。そうしたらすぐにthe NEATBEATS、SCOOBIE DO、KING BROTHERSなどの存在を知って〈ウワッ! 先にいたんだ!〉と。いつか対バンさせていただけたらなと思っていて。うちのマネージャーと初めて会ったときに出演したイヴェントで最初にKING BROTHERSと対バンさせてもらって、次はthe NEATBEATSだ、SCOOBIE DOだ、とひとつずつ上がっていこう、みたいなことを考えていましたね」
マツキ「THE BAWDIESは最初に出会った頃からいまのスタイルだもんね。だから印象はずっと変わってないんですよ。僕らはTHE BAWDIESよりちょっと世代が上だから、60年代のいわゆるガレージとかロックンロールを志そうとすると、排他的というか村になりがちなんですよね。対バンにしても、自分たちとわかり合えるものがないとなかなか打ち解けないというか。そういうところが2000年代初期のガレージ・シーンやモッズ・シーンにあったと思う。でもTHE BAWDIESは、音楽的にはそういう(ガレージ/ロックンロールの)匂いを感じるのに、他と垣根がないというかね。音楽もそうだし本人たちのライヴ運びもそうだし、僕らが感じていた〈村臭さ〉がない。僕らはメジャーな音楽に対してのカウンターとして、昔のガレージやロックンロールをルーツにしたバンドを始めたようなものだったんだけど、THE BAWDIESは全然カウンター感がなく、むしろメジャー・シーンに前からいました、みたいな感じでバンドをやってるように見えたんですよね。初めから村も何もないっていうか、〈俺らはTHE BAWDIESっていう看板でやってんだ〉という確固たる自信みたいなのが見えて、それがすごく新鮮でカッコイイなと思った」
――シーンに属するということではなく、バンドとして立っていると。
マツキ「ある意味出来上がってるというかね。僕らの世代や僕らの先輩たちの世代のバンドが突き詰めていってやろうとしていたことを、いとも簡単に最初からやってたようなイメージです」
ROY「僕らは逆に、先輩たちがそのシーンをすでに確立させているのを知って、入りたいけど入れないなと感じたんです。入れないというか、完成しきってるところがあったので。モッズ、ガレージ、ロックンロール、ひっくるめて60sみたいなシーンに憧れていて。とにかくどのバンドもライヴがめちゃめちゃカッコ良くて、いわゆるロック・バンドのライヴとは全然違う、はみ出てる感覚というか、スタイリッシュに見せて終わりではなく、ちゃんと感じるものがあったんですよね。僕らと同じ若い世代の子たちも、観たら衝撃を受ける人たちがたくさんいるだろうと感じたので、僕らはそのシーンに入っていくんではなく、この先輩たちが作っている空気感を若い人たちに向けて見せて、(その若者たちを)取り込めればいいんじゃないかと思った。なので先輩方のところにお邪魔して吸収しつつ、それを若い人たちに伝える役をやりたいなと最初に思いましたね」
――ほほ~、そこまで考えていたとは!
ROY「僕がスクービーを知った時期は、まだガレージもブラック・ミュージックにもそんなに深く入ってない時期だったんです。だからこそ自分たちと同じように、触れただけで人生観が変わっちゃうような衝撃を受ける人、もしくはそういうものを求めてる人がたくさんいるはずだから、そういう音楽に触れてほしいなと。でもすごくマニアックなシーンではあるので、自分たちから掘っていかないと出会えない音楽だったりするんですよ。それこそ若い世代はそういう(掘っていく)ことをしなくなってると感じていたので、TVから流れてくる音楽がすべてじゃないんだよ、ちゃんと自分で自分に合った音楽を探していかないと最高なものは見つからないんだよっていうのを証明しなきゃいけないなと思っていたんです。だから先輩方からはできるだけ吸収して、しっかり受け渡そうみたいな気持ちではいました」
――具体的にどういうことを吸収したいと思ってましたか?
ROY「いちばんはライヴですね。最初はどうやってライヴをやったらいいかわからないところもあって。しかもガレージやロックンロールのライヴに足を運ぶお客さんはいわゆる〈コンサートを観に来る人〉とはまた違って、本当に(場を)楽しみにして来ていて、バンドも観せるだけじゃなくてしっかり楽しんでる。僕がそれまでに体験したことがない、バンドとお客さんのグルーヴがひとつの大きな空間を生んでいるようなライヴだったんです。しかもお客さんに乗せられるわけじゃなくて、お客さんの楽しむ気持ちを引き出す、引っ張り出す、みたいなバンドのスタイルをスクービーやthe NEATBEATS、KING BROTHERSはみんな持っていて、これが〈ライヴ・バンド〉なんだなと。こういうライヴをやりたいと思ってもなかなかできるものじゃなくて、最初の頃は自分たちではやってるつもりだけど全然足りてないから、特に大阪へ行ったときは逆にお客さんから〈もっと楽しんでやりなよ〉って言われるぐらい、すごく悔しい思いもした。だから同世代のthe telephonesなど全然違うジャンルのバンドと戦っても、〈自分たちはここ(ガレージ/ロックンロール)の畑出身なんだ〉というのが誇りに思える。こういう先輩たちとやってきたから、誰とやっても負けないという気持ちはありますね」
――こういう気概のある後輩バンドが出てきて、先輩たちはどう思っていたのでしょうか?
マツキ「僕らは古いなと思いました(笑)。回りくどいんでしょうね。ヤフオクで掘ってる7インチ屋さんが同じじゃないかという話を俺がまことしやかにするぐらい、ROYくんと音楽の趣味が近いんですよ。60年代後半のファンキーなリズム&ブルースとかが好きで、そういうのを僕らもやりたいんだけど、スクービーはどうしてもそれを日本語でやりたいっていうのと、日本人の情緒というか日本人としてのブルース感を入れたいという思いがすごく強い。それがいつもいろんな混ざり方をするので、THE BAWDIESとルーツは一緒のはずなのにまったく同じものができない。もしかしたら、ある意味聴いている人にとってはスクービーの音楽はわかりづらいのかなって気もするし。だけど、そのわかりづらい感じを伝えたいという思いが勝っちゃうんで、どうしても変な形のまま転がってるバンドなんですよね。だけどライヴの現場に立ったら、目の前にいる人たちをどれだけ楽しませられるかっていうところでは同じなんだけど」
――ルーツは近いのに、そのアウトプットの仕方が両者でまるで違うというのがすごくおもしろいところだと思うんです。SCOOBIE DOの音楽は全然わかりづらいどころか、自身のルーツにある音楽を日本人にわかりやすく提示してくれていると感じています。メロディーもそうだし、日本語詞であるというのもあるし。逆にTHE BAWDIESは当時のリアルな音をいまの時代に再現するというピュアな感覚が、すごく高いクォリティーで結実しているところに、半端じゃないものを感じます。
ROY「僕らは日本人としてこういう音楽をこう解釈してこう伝えたいんだ、というものがそもそもなかったんですよね。それは単純にいまのルーツにある音楽だけを聴いて育ってきたわけではなくて、それこそタワレコで流れていたソニックスを聴いて〈なんなんだこれは!〉と衝撃を受けて、ソニックスのアルバムを世界中の若い人たちに配りたかっただけなんですよ。みんなこれを知ったら自分たちと同じような気持ちになるに違いないと。でもそれが物理的にできないから、だったら僕たちがソニックスになればいいって思っただけなんですね。だから〈オリジナリティー〉ということをまったく考えてなくて、とにかく自分が受けた衝撃をストレートに伝えたかっただけなんです。そういう感じなので日本語詞というのも頭になく、ストレートに伝えないと自分たちの目的とは曲がってしまうと思ったからそのまま始めました。ただ、やっていくなかで、40年、50年前の音楽を若い人たちに伝えるには現代の感覚で伝えなければいけない部分も出てきて、それによって変化していくことで自分たちらしさみたいなものが勝手に出てきたというのはあるけど」
マツキ「僕らもスクービーを始めた頃はもっとシンプルなスリー・コードのブルース・ロックみたいな曲をオリジナルで作ってはいたんだけど、やっていくうちに聴いてる人の心にまで届けたくなるというか、心を動かしたい気持ちになってくるんですよね。踊らせて楽しかった、というのにプラスαで何かを残したいというのがどうしても出てくる。そのためにどうしたらいいのかと考えてやってるんですよね。ルーツはなんであれ、音楽ができることの可能性をもうちょっと信じてるというか、スクービーだけにできることがもっとあるんじゃないかという思いをいつも持ちながらやってる感じはします」
――なるほど。ちなみに、マツキさんとROYさんは音楽の趣味がとても合うとのことでしたが、他のメンバーの方同士でそういった音楽の話をすることはあるんですか?
MOBY「ちょっと前に(TAXMAN)と一緒に呑みに行きました(笑)」
TAXMAN「(自宅が)近所なんですよ。でもMOBYさんと呑むときは音楽の話っていうよりは、〈この店のこれが美味い〉とか〈このウィスキーがいい〉とか(笑)」
MOBY「そんな話ばっかり」
TAXMAN「音楽もそうですが、そういう趣味の面も合うから一緒にいて楽しいです」
MOBY「ありがとうございます(笑)」
TAXMAN「あと、たまたまお互い別の案件で同じ日に金沢にいたことがあって、打ち上げ会場が一緒だったんですよ。〈どうやら同じ店にスクービーがいるらしい〉と知って、一緒に打ち上げしたりとか、そういうことができる先輩は後輩からするとすごくありがたいんです。先輩面をするんじゃなくて、一緒に仲間として扱ってくれるのがすごい嬉しいし、僕らも後輩にはそう接したいなと思う。そういうところが最高っす」
MOBY「あとJIMくんも昔、僕らのイヴェントに踊りに来てくれたことがあるよね。広島で」
JIM「あー、行きましたね」
――広島まで!
JIM「ちょうど僕らが『1-2-3』(2013年)のツアー中で、移動日だったんですよ。それでたまたま遊びに行かせてもらって」
ナガイケ「カヴァー曲を中心にやる〈DOの部屋〉というイヴェントを広島でやったときに。僕らは広島でワンマンがあると、夜中にDJイヴェントをやることがあって、そっちにも来てくれたんです」
――あ、もうダブルヘッダーで。
ナガイケ「ライヴ、打ち上げ、DJイヴェント」
――フル・セットですね(笑)。
JIM「ライヴでめちゃめちゃゴキゲンになっちゃって。普通にTシャツも買って(笑)、次の日からリハのときはずっとそれを着てた。単なるファンですからね」
――ではスクービーのファンとしての目線で、JIMさんが思うスクービーの魅力はどういうところですか?
JIM「やっぱりライヴがすごくいいんですよ。オーディエンスと心を通わせてグルーヴを作っていくんだけど、でも身内ノリにさせずに、あくまでも〈ステージの人〉として立っているところ、ロックスター然としているところがすごく好きで。あとアドリブのときのプレイが結構エグいんですよ。〈ウワッ!〉ってなる瞬間がある」
ナガイケ「いいのか悪いのか(笑)」
――逆にスクービーの皆さんから見てTHE BAWDIESのライヴというのはどのように思われますか?
MOBY「この間、武道館公演を観に行ったんですけど。外タレを観てる感じがした」
一同「ハハハハハ(笑)」
MOBY「日本語を喋ってるんだけど、いま30歳ぐらいの海外のバンド観てる感じだなと(笑)。これはもう想像の世界なんですけど、GSのいわゆるアイドル、バンドじゃなくて、ザ・ゴールデン・カップスのようにわりと骨太なGSバンドたちって、こんな感じだったんじゃないかなという印象を受けましたね。すごいカッコ良かったです」
――THE BAWDIESのみるみる引き込まれて、転がされてしまうライヴの運び方はたまらないですよね。
JIM「揉まれたからね」
ROY「でもスクービーはもちろん、the NEATBEATS、KING BROTHERS、同世代だとザ50回転ズあたりと対バンすると、〈負けないぞ〉という気持ちでいくんですが、絶対勝てない」
JIM「まず勝てない。100%負けるもんね」
ROY「やっぱりライヴ・バンドはほんとに強いんですよ。バンドをずっとやっていればいい時も悪い時もあると思うんですけど、ライヴを観れば〈やっぱすごいんだな〉というのが一発でわかる。それをずっと続けている人たちは絶対負けないんですよね。いい勝負をすることはあるかもしれないですけど、負けない。だから僕らは絶対に勝てなかったし、それはいまだに感じますね」
――いまだに感じますか。
ROY「先輩たちと対バンをやらせてもらうときは僕らが最初に出るので、〈どうだ!〉っていう気持ちになるんですが……やっぱり先輩たちはすごいな、となるんですよ」
JIM「落ち込んで帰る」
ROY「やっぱり自分たちの見せ方をちゃんとわかってるし、武器がしっかりある。もちろんライヴ・バンドはその場の勢いでバッとやるカッコ良さもあるけど、一方でちゃんと必殺技を持ってるし、〈必ずこうすれば持っていける(盛り上げられる)〉という〈何か〉を持ってるんです。その〈何か〉がどういうものかと言われたら言葉にはできないけど、そういうものを自分たちが持たない限りは絶対戦えないと思います」
――その〈何か〉はTHE BAWDIESのライヴにもありますよね?
ROY「いまはたぶん自分たちなりのそういうものを持っているとは思うので、対バンもしたいですし、勝ちたいなと常に思ってます。でもやっぱりいまだに勝てないという気持ちは常に持ってますね」
――こちらからしたら十分素晴らしいと思うのですが、そういった気持ちを持ち続けていることが重要なのかもしれませんね。
マツキ「THE BAWDIESだけじゃなくて全体的に言えることなんだけど、ちょっと前の時代に比べて演奏の上手い人がいっぱいいるというのと、ライヴ運びを研究してるなというのはすごく思いますね。話題のバンドのライヴを観てがっかりする、みたいなことは一昔前はよくあったけど、いまはそれなりに良いライヴをやっている人たちが前線に出てきている。それは音楽業界、バンド業界がそうじゃないとダメなんだよという風潮になってきてるからなんだと思いますけど」
ナガイケ「THE BAWDIESがライヴ・バンドだというのは、昔からずっと全国をドサ回りしたり、オーストラリアとか海外でやっていたりするから、いろいろ揉まれていまがあるんだなというのは観てて思うし、ステージで一人一人がちゃんと主張している感じもカッコイイ。THE BAWDIESが〈フジロック〉の〈GREEN STAGE〉に出たとき、僕は福原美穂ちゃんのサポートで前日に出てたので観ていて、朝イチだったよね?」
ROY「はい」
ナガイケ「外タレじゃないですけど(笑)、それまでバンドが積み上げてきたものをそこで全部見せつけられたような思いがしたんです。それがロックンロール・バンドであることの誇り、ロックンロールへの愛とか、俺たちはロックンロール・バンドなんだぞ、最高だぞという思いが一人一人から出ていて、カッコイイなと思いましたね」
ライヴ・バンドが強いのは目の前で観せればみんなが納得するからなんですよ(ROY)
――両バンドの共通点として、ヴォーカリストがすごく個性的というのがあるなと思うんです。それもライヴ・バンドとして大きな強みじゃないかと。
コヤマ「(ROYは)真っ直ぐだなと思いますね。THE BAWDIES自体がそういうバンドだと思うけど。テクニックもあるし、ここはこうやって次の曲に行くんだとか、このきっかけで行こうっていう(ライヴの)運び方はみんなで話し合ってやっていると思うんだけど、動機みたいなものが物凄く純粋っていうかね、それはロックンロールのためにもなってるというのは常に思います。自分たちの音楽をカッコ良く聴かせて、目の前にいる人のソウルに突き刺すためのMCやライヴ運びであることをすごく感じる。清々しいというかね、嫌みなところがないなと思う」
ROY「(コヤマは)いちばん自分が理想とするスタイルというか、〈俺カッコイイだろ、付いてこいよ〉ではなくて、しっかりお客さんの懐に1回近付いてそのままステージに投げるみたいな、そういうカッコ良さなんですよね」
一同「ハハハハハハ(笑)」
ROY「〈来いよ!〉じゃなくて、一人ずつ投げていくみたいな(笑)」
コヤマ「一本釣りじゃなくて潜って掴みに行く(笑)」
ROY「ロックスターって、〈俺らカッコイイだろ、付いてこいよ!〉みたいなスタイルになりがちなんですけど、その感覚を覆されたっていうか。自分から懐に入ってきてくれるんだ、みたいな。それでどうするのかな?と思ったら、そのまま持ってかれる感じ(笑)。そういう強引さみたいなところがすごくカッコイイと思ったんですよね。(オーディエンスと)距離を縮めるためにまず自分が全部見せる、自分が裸になって、君たちも脱ごうよっていうのを見せてくれるヴォーカリスト。僕はそれがいちばんカッコイイと思うんですよね。相手を楽しませるためにはまず自分が楽しんでいるのを見せる。そういうところを俺は学びました」
――では他の楽器パートで、互いに感じるところはありますか?
ROY「ジョーさんはベースがすごいんですよ。ソウル、ファンクのグルーヴを感じるのに、すごく鋭い。グルーヴィーだけじゃなくて鋭いから、〈何を聴いてたんですか?〉って訊いたことがあって。そうしたら、最初はロックを聴いていたと。例えばミッシェル(・ガン・エレファント)とかを聴いていて、そこからブラック・ミュージックを聴きはじめたと聞いて、なるほどなと。ブラック・ミュージックのノリとロック的な鋭さや攻撃性を併せ持ったプレイは他のベーシストからはあまり感じたことがなくて。すごく珍しいタイプだと思うんですよね。この間一緒にセッションさせてもらったときにそれを改めて感じて。グイグイ引っ張ってくれるんです。でも前のめりなのかといったらそうではなくて、しっかりどっしりしてるんだけど鋭さがあるっていう」
ナガイケ「ありがとうございます。(東京・新宿)レッドクロスで一緒にやったときにROYくんが袖で観ててくれて、〈なんか手品を見てるみたいでした〉って言われたことがあって(笑)。単純に、歌いながらベースを弾く人のグルーヴ感には敵わないものがあるなと僕自身は思うところなんですけどね。僕もロックンロール、ガレージとかを聴いて育ってきて、後から黒い音楽に触れたっていうのもあるんですけど、THE BAWDIESもKING BROTHERSとか滅茶苦茶なバンドを観てきているというところが個人的に信頼できるんです。行儀良くやりますっていう感じじゃなくて、ライヴになるとどうしてもヴァイオレントにしたくなっちゃったり、行儀良くやればもっと上手にできるのに、ワーッてなっちゃうところが僕は嬉しい。わかるなって」
――ではリズム隊ということで、ドラムの場合はいかがでしょうか?
MARCY「もともと僕はリズム感とかグルーヴ感というものを持ってない人なんで……」
一同「ハハハハハ(笑)」
MARCY「ロックンロールのドラマーは結構いろいろ観ていて、勉強にもなっているし自分のプレイに採り入れたりもしているのですが、やっぱり自分が持っていないものを持ってる人に憧れがあるんです。そういう人のライヴを観ると、どうやってるんだろうって横で研究の目になっちゃって、スクービーと初めて対バンした時も(MOBYの)グルーヴは軽やかだし、点では音がズバッと出てきてお客さんに伝わっているのを観ていて。シンプルな叩き方をしているようで、実はシンバルの鳴らし方やハットの刻み方とかもすごいんですよ。そういった決めをしっかり聴こえさせるのは、なかなかニュアンスで出すのが難しい」
MOBY「ありがとうございます(笑)。こんな褒めてもらったことない」
MARCY「すごい羨ましいです。この夏に〈MONSTER baSH〉で(スクービーと)フラカンがやっているのを袖で観ていたんですけど、(MOBYのテクニックを)どうにかして手に入れたいという気持ちでいました」
MOBY「MARCY君はね、武道館とか他のライヴを観て思うのは、60sをやろうとしているんだけど、それを60sからだけ持ってきてやっているんじゃなく、いろんなところから持ってきている感じなんですよね。そういう感覚は僕にはなくて。MARCY君のドラムを観ていると本当に自由で、その発想はなかった!っていうプレイをしているんです。それがバンドのスタイリッシュさに繋がっているのかなと思ったりして。いなたさの極北みたいな」
――極北(笑)。
MOBY「そこがカッコイイなと。あと、ほぼ同じ(ドラム・)セットを使ってたはずなんだけど、こうも違うのかと感じましたよね」
――へぇ~、そうなんですか。叩く人が違うと聴こえ方がまるで変わるものなんですね。では、ギターはいかがでしょうか? THE BAWDIESはお2人いらっしゃるので、また考え方などは違うと思うのですが。
TAXMAN「ジョーさんが言ってくれたように、僕らは(ライヴで)ちゃんとやろうと思ってもワーッてなっちゃうんですよ。だからマツキさんのギターを観ていると(滅茶苦茶にならなくて)いいなと本当に思うんですよね。こういうギターを弾きたいなと。それはやっぱり根っこにソウル・ミュージックが染みついてる証拠なんだろうなと思っていて。いま僕らがあるのもルーツ・ミュージックをいっぱい聴いてきたからなんですけど、やっぱりソウル・ミュージックは奥が深くて、全然聴き足りないぐらい。ROYが(ソウルについて)すごく詳しいからいろいろ訊いたり、7インチを集めたりしてますけど、知れば知るほど奥が深いし、そういうギターをちゃんと習得してる人はなかなかいないと思う。だからサウンドにすごい説得力があるんですよ。スクービーは“Tighten Up”(アーチー・ベル&ザ・ドレルズ)とかをサラッとやったりするのを聴いて、そういうところがいいなーと。僕らがやると絶対にそうならない、ガレージになるんですよね」
ROY「昔からスクービーはソウル・バンドなんですよね。一緒にやって思ったんですけど、隙間がすごいあるからヴォーカルが自由に歌える。自分たちでやると隙間がないから、窮屈ななかでワーッてやるしかないというのを感じましたね。僕らはカヴァー・アルバム(2014年作『GOING BACK HOME』)を出したときに初めて小細工なしでソウル・ミュージックに向き合ってみてすごい勉強になったし、マツキさんのプレイもそういう点で勉強になります」
JIM「僕、実はドラムを観るのがすごい好きで、ライヴを観ているとついドラムのほうを観てしまうんですけど、たまにギターに夢中になっちゃうタイプのギタリストの方がいて、そのなかの一人がマツキさんなんです。もう目が離せなくなっちゃう。弾いてないときがすごいんですよ。それもヘンな話なんですけど」
――その弾いてないとき……というのは?
JIM「TAXMANやROYが言っていた音の隙間の、音の出てない部分のプレイです。音が出てないのでプレイしていないかと思いきや、してるんですよ。そこがすっごくエグいんです。ドキドキしちゃう」
マツキ「僕は、いろんな音楽を知ってるからではなくて、必然的にこうなっちゃうんですよね、スクービーで音を出すと。本来4人組のロック・バンドはもっとギターをオーヴァードライヴさせて、それこそ隙間を埋めていくというのをめざすと思うんですけど、俺らの場合はメロディーとリズムの絡みをすごく大事にしてるから、どうしてもそういう感じになるんですよね」
――ほほ~、なるほど。
マツキ「だから本当はTHE BAWDIESのように、ブライアン・ジョーンズとキース・リチャーズみたいな2人が好き放題やる感じがバンドとして理想というか、憧れではあるんだけど、どうしてもこの4人でやるとそうならない。でもやろうとしてるし、求めてる感覚はたぶん同じだと思うんですよね。バンと鳴らしてぶった切ってやる!みたいな気持ちは僕も一緒で、ずっとそういう気持ちで鳴らしている。音の出し方は違っても、精神的には同じ出力でやってるんですよ」
――それでは最後になりますが、THE BAWDIESもすでに結成から10年以上経過していますが、スクービーは今年20周年ということで、THE BAWDIESのこの先の10年について考えることはありますか?
ROY「ありますよ。スクービーはもちろん、さらに上にはフラワーカンパニーズや怒髪天とかがいて、やっぱり同じようにライヴがすごいんですよね。ずーっとそれをやり続けているから説得力が違うし、どんな音楽をやっているかというよりも、変わらずずっとやり続けて若い人でも年配の方でも、誰が観ても楽しいし伝わるものがある。そういうバンドが本当のロックンロール・バンドだと思うんです。やっぱり時代によって少しずつ変わっているとは思うんですが、根っこは変わらずに転がり続けることが理想。先輩方が走り続けているから、自分たちも走り続けるというのが目標ですし、何歳になってもこの4人でやり続けることがいちばんかなと思います。もちろん世界に飛び出してもっとやりたいとか、いろんなアーティストを日本に呼んで一緒にやりたいといった細かい目標はいろいろありますが、先輩たちの背中を見つつライヴ・バンドとしてやっていきたいですね」
――やっぱり長く生き残っていくためのいちばんの武器はライヴの良さなのかもしれないですね。
ROY「やっぱり底力が凄まじいんですよ。音楽には流行があって、ロックンロールは10年に1度くらい流行りますけど、そうじゃない時期のほうが長い。でもそんななかでもライヴ・バンドが強いのは目の前で観せればみんなが納得するからなんですよ。そこで納得させられなければ生き残っていけないと思うんです」
THE BAWDIES ニュー・シングル“SUNSHINE”について……
マツキ「長岡(亮介)くんがプロデューサーなんだよね。作り込んだ感じで、言い方おかしいけど後期のビートルズ的なアプローチだよね。バンドなんだけどとてもカラフルで音楽的な冒険を繰り広げているところを見せてくれる曲かな」
コヤマ「ライヴは……」
TAXMAN「アレンジをちょっとライヴ用にして」
コヤマ「そうだよね、凝ってるもんね」
マツキ「“SUNSHINE”も好きだったんですけど、3曲目(“THEY CALL IT WHISKEY BLUES”)は誰が……」
TAXMAN「僕が歌ってます」
マツキ「だよね? 声が違うなと思って。あの曲もすごい好き。いつもROYくんの声で聴き慣れてるから、すごく新鮮に聴こえた!」
~THE BAWDIESからのお知らせ~
「BRINGING IN THE ROCK & ROLL NEW YEAR」
2016年1月10日(日)大阪・なんば Hatch
2016年1月11日(月・祝)名古屋 DIAMOND HALL
2016年1月17日(日)東京・ EX THEATER ROPPONGI
チケット:3,900円(新春ギフト付き)
まさに新年会的な、記念すべき2016年の幕開けとなるツアーです!
そして、チケット代に〈新春ギフト付き〉としてTHE BAWDIESよりお土産もご用意!
さらに、新春ならではのサプライズもあるかも!?
~SCOOBIE DOからのお知らせ~
「Funk-a-lismo! Extra」
11月18日(水)横浜・CLUB Lizard
11月21日(土)広島・Cave-Be
11月23日(祝・月)福岡・LIVE HOUSE CB
12月5日(土)名古屋・CLUB UPSET
12月6日(日)大阪・十三CLUB FUNDANGO
12月12日(土)仙台・LIVE HOUSE enn 2nd
12月27日(日)埼玉・HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1
「晩秋アコースティックFunk-a-lismo! in 城下公会DO」
11月25日(水)岡山・城下公会堂
「COUNTDOWN Funk-a-lismo!」
12月31日(木)東京・下北沢GARDEN
ほか!
