JBNがハントしたりされたりしたアーティストたち

MULATU ASTATKE 『New York-Addis-London: The Story Of Ethio Jazz 1965-1975』 Strut/!K7(2009)

 JBNが結成された2009年は、この編集盤をきっかけにアスタツケの再評価が進んだ年でもあります。少年たちは御大の泣きメロに魅了され、自身の音に取り込み、やがて舞台を共にするまでに。

 

SEUN KUTI & EGYPT 80 『A Long Way To The Beginning』 Because/プランクトン(2014)

 アフロビートの進化型を常に提示してきたシェウンが、ロバート・グラスパーと組んで仕上げた最新作。アーバンな薫り漂うスタイリッシュなサウンドは、JBN“The Move”でのアプローチと物凄く近いです。

 

THE GASLAMP KILLER 『Breakthrough』 Brainfeeder(2012)

 昨年このGLKとコラボ7インチをリリースしたJBN。そこで受けた刺激が『The Hunt』にもしっかり刻まれています。歪んだパルス音が耳にこびりつく“Desdemona”での、辺境ムード満点なサイケ・グルーヴはその最たる例。

 

GONG 『You』 Virgin(1974)

  UFOが飛来しているようにしか聴こえないヘンなノイズで始まるJBNの“Attila”。徐々にダイナミズムを増しながら快楽を誘発するサウンドメイクは、この宇宙ロック怪作で発明されたトランス・ジャムへと繋がっていき……。

 

PHAROAH SANDERS 『Karma』 Impulse!(1969)

 『The Hunt』の本編ラストに収められた“To Sugar A Dream”で、JBNはスピリチュアル・ジャズに急接近。テナー・サックスの音色が前面に出ていること、そして何よりオリエンタル情緒溢れる旋律から、この名盤がふと頭をよぎりました。