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あれから10年……ゲームの超大作『The Documentary』の続編がついに登場!/波乱万丈の10年刻んだディスコグラフィー

あれから10年、もしくはドレーから10年……ウェストコーストの失地を回復した超大作『The Documentary』の続編がついに姿を現した! 次代のゲームの行方も俺が占うぜ!

 

10年前の傑作

DGノックアウト「いや~、今年もあとは『ストレイト・アウタ・コンプトン』の日本公開を待つばかりとなったね。早く公開日が来んプトンってな!」

ダレスタ「ダジャレにもなってねえし……しかしまあ、試写会も大盛り上がりらしくてさ、俺も入場できなくってビックリだったっての。ここまでうまくコトが運ぶとはドレー先生もさぞ満足だろうよ」

DG「思わぬ方向からNWAが流行っちゃうかもな。例えばさ、テ……」

ダレ「やめとけ。ただ、確かにトレンドになりすぎるとよくわからない感じも出てくるね。映画の内容を真正面から受け止めすぎて、妙にNWAをパブリック・エナミーみたいに扱ったりさ。いろんな面があって歴史は出来てきたんだとOGとしては思うがね」

DG「そうやって過去は単純化されていくのさ」

ダレ「というか、このままだとNWAとケンドリック・ラマーしか存在しなかったぐらいのノリになるよな」

DG「ファーガソン事件に速攻で反応したのもゲームだと思うんだけど、コンシャス系じゃないから日本では無視されるし……。黒人に意識の高さをやたら求める風潮がまた強まってきてるけど、そういう連中はゲームと相性悪いだろうな。まあ、もうわかってる奴だけわかってたらイイんじゃねえの?」

ダレ「そうは言ってもゲーム本人はそう思ってないだろ。このタイミングで乾坤一擲の『The Documentary 2』を仕上げてきたんだからな」

DG「また、ケンドリックのアルバムと『Compton』の揃った〈コンプトン・イヤー〉にうまく出たもんだな」

ダレ「やっぱりゲームは持ってる男だね。時代を引き寄せたってワケだ」

DG「ある意味では持ってないのかもしれないけどな。ゲフィン離脱時からずっと予告してたのが、師匠とケン坊に話題を持ってかれた感もあるからさ。NWAオマージュも入れてるグラシーズ・マローンの新作もそうだけど」

ダレ「“Too Hood”にゲームも客演してたよな、アレはヤバいぜ!」

DG「まあ、あの『#GH2:Life Ain't Nuthin But...』がオレら向けのアルバムなのは間違いない……ってことで、ここはゲームの話をする場だぜ」

ダレ「そうだね。で、まずは10年前の『The Documentary』だけど。デビュー当初のゲームはどう見てた?」

DG「もともとはJT・ザ・ビガ・フィガゲット・ロウにいたんだよな。ブラック・ウォール・ストリートってのも最初はJTとかのクルーの名前でもあったような気がするわ」

ダレ「JTのアルバムでいきなり“Neighborhood Supastar”をやってたんだよな。あれが2002年か」

DG「JTは何度も使い回してたよな。で、ヤツがドレーに紹介して……って流れだよな」

ダレ「設定では50セントがドレーに紹介したことになってたがな。強引に〈Gユニットのニューカマー〉ってことにしたから、後からこじれたんだよ」

DG「とはいえ、あのタイミングでは最適な判断だったと思うぜ。当時ゲトったプロモCDの写真でもNWAのチェーンをぶら下げたり、本人的にはコンプトンの後継者としてヤル気は満々だったようだけどさ。2004年11月のbounceにも〈アルバム『Nigga Witta Attitude』の登場は2005年初頭の予定だ。震えて待とう〉って書いてある」

ダレ「〈震えて待て〉とか最近あんま見ない表現だな……」

DG「うるせえな。とにかく、そのタイトルが使えずに『The Documentary』になったと」

ダレ「結果的にはNWAのイメージが付きすぎなくて良かったと思うね。ゲーム本人のラップもノトーリアスBIGとかナズの影響を出した感じだったからね」

DG「西と東のハイブリッドみたいな言われ方だったな。そうじゃなくても、当時はビギーそっくりのフロウを持つゲリラ・ブラックとか、そういう感じの西の新人が増えてた頃だったな。コラプトバイ・コースタル売りだったし、そのこと自体は珍しいわけじゃないんだけど」

ダレ「ゲリラ・ブラックか……懐かしいね」

DG「まあ、西とか東はヌキにしても『The Documentary』の出来は群を抜いてたよ。bounceも表紙にしてたな」

ダレエミネムバスタマーシャメアリーもいて、当時のドレー人脈オールスターって作品だよな。ドレーの手掛けた“Westside Story”と“How We Do”、それにマイアミのクール&ドレーが手掛けた“Hate It Or Love It”と、3連発のシングル全部で50セントがフックを歌ってたのもGユニット感を出してる」

DG「50によると、自分のセカンド・アルバムに準備してたコンセプトとかを丸ごと渡したらしいから、50色が強いのも当然かもな」

ダレ「その手の話はどこまでが本当かわからないけど、逆に言うとヤツも『The Documentary』の名盤ぶりだけはマジで認めてるってことだろうね」

DG「その後は恐ろしいほど犬猿の仲だしな……共演曲がヒットしてるのと並行してディスが横行するという。実現しなかったけど、2人とコラボしたいマイケル・ジャクソンが仲裁しようとした逸話もあったな」

ダレ「まあ、そういう背景も伴ってこそ記憶に残る作品になったと思うね。シャレにならない衝突も起こったけど、そこからもディス・チューン史上に残る“300 Bars N Runnin”という副産物を残してくれたし」

DG「15分以上のやつな。どんだけだよ!って感じだけど、NWA好きなのは伝わるぜ」

ダレ「その時のいきさつは『The Documentary 2.5』の冒頭でも喋ってるね」

DG「いきなり〈2.5〉に飛ぶのか。やっと新作の話に繋がったな!」

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