DISC GUIDE

ドクター・ドレーの軌跡-本人の盤はもちろんエミネム、ジェイZ、ケンラマの作品までその多彩なる仕事を振り返る

【特集:WHO NEEDS A DOCTOR?】 Pt.2

DR. DRE The Chronic Death Row/Interscope(1992)

オマエらにとっても基本中の基本なんだが、載せないわけにもいかないので紹介しとこう。無名の個性が名を連ねる状況に瀕し、サウンド構築の妙でキャラクターをプレゼンしていく作りは以降のドレー仕事でも基本となるものだろう。ベースを弾くコリン・ウルフによると、この時期のドレーは自分でビートを作っていたらしい。

 

 

VARIOUS ARTISTS Dr. Dre Presents... The Aftermath Aftermath/Interscope(1996)

大物のキングTや旧知のRBXRCらを招集して形に仕上げたアフターマスの第1弾コンピ。ぶっちゃけ急造作なんだろうが、以降の長考スタイルにはない良さもあるぜ。旧知のクリス“グローヴ”テイラーメル・マンらと組織した〈ソウル・キッチン〉のハイファイな音作りは、すでに『2001』の雛形として響いてくる!

 

 

THE FIRM The Album Track Masters/Aftermath/Interscope/Columbia(1997)

ナズの率いるクイーンズ発ギャングスタ・ユニットを、トラックマスターズと共同でスーパーヴァイズした変則的な一作だ。至高のドラマティック・ループを編み上げた“Phone Tap”やフーディニ使いの“Five Minutes To Flush”などグローヴとの共同作業はどれもいい。この頃アフターマスにいたドーン・ロビンソンの参加も。

 

 

DR. DRE 2001 Aftermath/Interscope(1999)

 ドレーに3度目の大成功を呼び込んだ超大作。生楽器のパーツを組み合わせつつ引き算を重ねてメル・マンと編んだビートは、リスニングにも対応できる鳴りを重視した中毒性たっぷりのクラブ・サウンドで、『Compton』とは狙いどころがそもそも違うね。マイク・エリゾンドスコット・ストーチもここから大物になった。

 

 

VARIOUS ARISTS THE WASH(Soundtrack) Doggystyle/Aftermath/Interscope(2001)

スヌープとのコンビで主演したコメディー映画の、こっちは正真正銘の〈サントラ〉。スヌープとのコンビ・チューンや目をかけていたノクターナルとの“Bad Intentions”を筆頭に、ドレーがラッパーとしてのキャラを見せた曲も多く、全体的に気楽なムードがいい感じだぜ。フォーカスのアフターマス初仕事も収録されてるので注目。

 

 

EMINEM Encore Shady/Aftermath/Interscope(2004)

 結果的にエミネムにとっては第1期の区切りとなった作品だな。前作『The Eminem Show』で関わりの減退したドレーが“Just Lose It”“Mosh”などを手掛け、改めて名コンビぶりを見せつける。終曲“Encore”では50セントも交えた3本マイクで『Detox』の告知も。まあ、この後はエム自身が要デトックスな状況に陥るんだが……。

 

 

THE GAME The Documentary G Unit/Aftermath/Interscope(2005)

 〈NWAの再来〉を匂わせながら登場したコンプトンの生え抜き。スコット・ストーチとの“Westside Story”、マイク・エリゾンドとの“How We Do”、マーク・バトソンとの“Higher”と、敏腕たちを相棒に据えてドレーも力が入ってるな。無理にGユニット入りさせたのが仇となってドレーとは疎遠になるも、『Compton』には無事参加。

 

 

JAY-Z Kingdom Come Roc-A-Fella/Def Jam(2006)

 “Still D.R.E.”のリリックを書いたり、何かと縁のあった大物同士。これは一時引退後の復帰作となったもので、全曲のミックスをドレーが担当。ネオ・ソウル的なメロウネスもある大人っぽい音像も話題になったもんだぜ。その後は『Detox』用とされるプロモ・カット“Under Pressure”(2010年)でもコラボしてたが『Compton』には不在。

 

 

BUSTA RHYMES The Big Bang Flipmode/Aftermath/Interscope(2006)

 結果的に本作きりとなったバスターマス盤。音の抜き差しだけで豪快にスウィングさせる冒頭の“Get You Some”は、マーク・バトソンやチェ・ヴィシャスらの演奏を用いたこの時期最高のドレー仕事だろう。レーベル入りしたばかりのマーシャ・アンブロウジアスの歌もいい。この体制で『Detox』を仕上げてほしかったと思う日もあるぜ!

 

 

THE GAME The R.E.D. Album DGC(2011)

 事前に伝えられたアフターマス復帰は流れるも、御大が要所で喋りを入れている謎の一枚。DJカリールのシャープな“Drug Test”ではスヌープとドレーもラップを入れ(ケンドリック・ラマーヘイズが作詞)、スライ・ジョーダンも歌を重ねた作りは同布陣での“Kush”と同じ感触だ。これも『Detox』の流れで作っていたんだろうよ。

 

 

KENDRICK LAMAR Good Kid, M.A.A.D City Top Dawg/Interscope(2012)

 大半のミックスをドレーが担当して2曲でマイクも握っているが、そのうち“Compton”は元グッド・キッドのドレーにも感慨深いものがあったのかもしれない。ドレーに踏ん切りをつけさせたというか、新作へ向かうアイデアを直接的にもたらした作品ということになるのかもな。リリック重視という点も『Compton』に近い気がするぜ!

 

 

 ドレーの名曲に貢献してきたイグジビットだけに『Compton』への参加も当然だろ。ここではキングTも交えた“Louis XIII”が安定のドレー・ビーツだ。他にもスリム・ザ・モブスターの参加があったり、ビショップ・ラモントとの“Killer's Remorse”がフォーカス制作だったり、俺は仮想『Detox』の一部として聴いてるね。"


 

 

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