彼の死ほどファンに喪失感を残したものは少なかった。輸血をよしとしない信条に依って若く逝ったマイケル。リーダー作でのなんとなく欲求不満なソロに比して、サイドメンあるいは本作のようなほかのバンドへのフィーチャー・アーティストとして参加した時の弾けぶりは、聴く者を熱中させてきた。ヘルシンキでの、この著名バンドとの共演盤はことマイケルのソロに関して生涯の上位にランクインされる演奏だ。選曲もマイケルの本質を浮き彫りにする作品で満たされ満足感も大きい。正面からシャズの即興に対峙し自己の限界まで吹きまくるマイケル。いまも生きているようだ。