彼らのような蒼さをウリにするグループはキャリアを重ねるのが難しいと思っていたが、デビューから25年強を経た現在、イノセントな魅力と成熟をしっかり両立させているじゃないか。この5年ぶりの新作には、耳元で囁いているみたいな親密感のある美声とごくシンプルな演奏で綴った、優しいフォーク・ロックだけが詰まっている。70年代のシンガー・ソングライター作品と並べて聴きたい、仄かな内省ムードも良い。