今週はブログ用のネタを探す時間がなかった……ということで、先週末に買ったレコードについてでも書こうかと思います。今回も激安のセール・コーナー、いわゆるエサ箱(この日は100円のマジック・ボックス)からのガチの選盤なので脈絡のないチョイスですがあしからず。
まずは、マルチ奏者のリック・トムリンソン率いるUKのサイケデリック・ロック・バンド、ヴォイス・オブ・ザ・セヴン・サンダースの2010年のセルフ・タイトル作から。実はこの人たちのことはよく知らなかったのですが、好きなUSの地下サイケ・レーベル、ホーリー・マウンテンからのリリースということで入手してみました。元スリープのメンバーから成るオムを筆頭(?)に、シックス・オルガンズ・オブ・アドミッタンス、ウッデン・シップス、日本のグレイトなサイケ・バンド、水晶の舟や愛のために死すなどの作品で知られる同レーベルならではのモクモクした妖しいサイケデリアが充満する怪盤で、多彩な楽器を採り入れつつも丁寧なミックスでまとめた音響が意外でナイスでした。
次はマンハッタン・ジャズ・クインテットでの活躍でも知られるトランペッター、ルー・ソロフの86年作『Yesterdays』。この盤を買ったのはエルヴィン・ジョーンズのドラムが聴きたかったことと、大好きなアレンジャーであるギル・エヴァンスが〈ミュージカル・アドバイザー〉なる肩書きで参加していたため。ルーはギルのオーケストラに所属していたのでその関係かとは思いますが、どの程度制作に関わったのかは不明です(そういえばルーがマイルス・デイヴィス×ギルの名盤『Sketches Of Spain』のカヴァーに挑んだアルバムも最高でした)。このアルバム、実際聴いてみたらマイク・スターンによるいかにも〈トランジスタ・アンプのコーラスをバリバリかけました!〉な80sサウンドがストレート・アヘッドなジャズ・アレンジの妙なアクセントになっていて面白いのですが……残念ながら当の音源が見つからず。下掲の映像は同作の収録曲“Thaddeus”の90年のライヴ・パフォーマンスです。
ラストは、エイフェックス・ツインが関わるレーベル、リフレックスから98年に発表されたグローバル・グーンのアルバム『Cradle Of History』。当時はエイフェックスの別名義かと疑われたイングランド出身のグローバル・グーンですが、たしかに牧歌的というか、かの地の田園風景を思わせるアンビエント~チル路線はこの時代ならではの音かも。むしろいま聴くとかなり(当時の)ボーズ・オブ・カナダのサウンドに近いし、クオリティー的にも比肩するような佳曲揃いで、これはめっけものでした。ぼんやりしたダウンテンポとシンセパッドが心地よいです。
ということで今週はこのへんで。