全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュに繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論、神聖かまってちゃん、クリープハイプ、cero、KANA-BOON、洋楽ではチャーチズやR・シティ、チャーリー・プースといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお届け! 今回は2月度の洋楽編です!!
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タワーレコード本社で行われたタワレコメンの会議。今回もスタッフたちが〈これぞ!〉というオススメ作品を持ち寄り、タワレコメンの座を獲得すべく熱いプレゼンを繰り広げました。何百タイトルという新作のなかから候補に挙がったのは……!?
まずは、NYはブルックリン出身の3人組、ウェットの初作『Don't You』。吐息のように美しい歌声と穏やかに刻まれるビートが、シルキーで洗練されたポップソングを作り出しています。推薦バイヤーは〈ライとXXがセッションしたような〉と気品溢れる美しさをアピール。
続いて、イギリスはブリストル出身の5人組、コースツのファースト・アルバム『Coasts』が登場。推薦スタッフが〈コールドプレイやイマジン・ドラゴンズに匹敵するビッグ・アンセム〉と声を強めた“Oceans”などの、エモーショナルなダンス・ロック・サウンドには、大器の予感が充満しています。フェス映えしそう!
リアム・ギャラガ―を彷彿とさせる存在感抜群の歌声と、徐々に昂揚感を増すサウンドでスタッフの耳を奪ったのは、オーストラリア出身の3人組・DMA'Sの初作『Hills End』。アルバム・リリース前ながら、昨年の来日公演は大盛況に終わるなど、すでにギター・バンド・ファンからは大きな注目を集めています。会議スタッフも〈これはネクスト・オアシスとド直球に言いたい〉と語気を強めていました。
次は、スペインのマドリードから現れ、すでに世界中から熱視線を浴びているガールズ・バンド、ハインズのファースト・アルバム『Leave Me Alone』。ヨレヨレのアンサンブルにルーズな歌声が乗っかった、なんのギミックもないローファイ・ポップが、なぜかめちゃくちゃキュートでカッコイイ! プライマル・スクリームのボビー・ギレズピーも絶賛しているそうです。
続いてプレゼンされたのは、スコットランドはグラスゴーから登場したタフ・ラヴの初作『Wildfire』。温度低めのヴォーカルとシンプルなサウンドのガレージ・ポップで、甘くない素っ気なさが滅茶苦茶カッコイイ。推薦バイヤーは〈サヴェージズ好きに絶対ハマる〉とアピールしていました。
次は、US西海岸から登場し、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのラッパー/プロデューサー、アンダーソン・パックの2作目『Malibu』。ドクター・ドレーの最新作『Compton』で6曲にフィーチャーされ話題となりましたが、今作でもロバート・グラスパーやマッドリブなど名立たる客演陣が腕を振るっています。ネオ・ソウルやブギーをしなやかに乗りこなす歌声の色気が半端ない! Mikikiでは、彼のキャリアと『Malibu』を徹底解説した記事を公開しているので、そちらもぜひチェックを。
続いては、英米混合の女性メタルコア・バンド、コンクアー・ディヴァイドのファースト・アルバム『Conquer Divide』。全編で煽るデス声と主線のメロディーを歌うエモーショナルな歌声のツイン・ヴォーカルが相性抜群で、スピーディーなアタック感を持った演奏もフックが満載。これは話題必至でしょう!
そして、〈ロバート・グラスパー以降の耳にハマるはず〉とバイヤーが紹介したのは、LA発のトリオ、ムーンチャイルドの新作『Please Rewind』。ズレたビートのタイム感やメロウネス溢れるエレピなど、ネオ・ソウル・ファンにはたまらないサウンドに加え、ディープになりすぎない清涼感も◎。
次は、スウェーデンの男女3人組バンド、ポスティルヨネンの2作目『Reverie』。浮遊感溢れるシンセ・サウンドがエコーの効いたコーラスをゆっくりと運んでいます。推薦バイヤーは〈シガー・ロスからボン・イヴェールのファンまで刺さるはず〉と厳かな魅力を強調。
最後は、クリスチャン・メタル/ハードコアのレーベル、ソリッド・ステイトに所属するオンゴーイング・コンセプトの2作目『Handmade』。激アグレッシヴなメタルを基調にしつつ、一本調子に終わらないリズム感覚と、随所でホーン・セクションが炸裂するキャッチーなサウンドには、有無を言わさぬ熱量の高さがあります。これはフレッシュ!
ということで、今回も多彩な作品が並んだタワレコメン会議。多数決で選ばれたのは……!?