電気グルーヴ石野卓球のサポートなど、近年は裏方に徹してきた感のある牛尾憲輔のソロ・プロジェクトによる3作目。OPNアルカといった〈テン年代〉以降に鳴らされてきた刺激的なエレクトロニック・ミュージック勢の喧騒に目配せしながら、精緻で繊細な世界観を展開していて、その響きはいつになくソリッド。姿を変えていく鍵盤の音色とビートが複雑に絡む“greyscale”で見せる様式美にはうっとりさせられます。