風通しの良いアコースティック作品や、海外での初ライヴの成功など、amazarashiもずいぶん開けてきたな、と思っていたのだが。この新作に広がるのは、政治も含めた日本の現状を唾棄する“多数決”“分岐”を筆頭に、徹底して絶望した世界観。一方で“ライフイズビューティフル”“百年経ったら”など、鍵盤中心のイマジナティヴな音作りは、これまででもっとも深みのある美しさ。ぞっとするほど、スケールの大きすぎる傑作。