サーフ・カルチャーをテーマとし、音楽や映画、アートを抜群のセンスでキュレーションした人気フェス〈GREENROOM FESTIVAL〉が5月21日(土)、22日(日)に開催される。横浜・赤レンガ倉庫にそよぐ心地良い潮風と音楽に身を委ねる初夏の週末は、この上なく特別な時間となること間違いなし!
Mikikiでは昨年に引き続き、〈GREENROOM FESTIVAL〉を総力特集。ここでは1日目に登場するラインナップを、メイン・ステージの〈Good Wave〉をはじめとするステージごとに紹介していきます。ロドリーゴ・イ・ガブリエーラをヘッドライナーに、ブラックトップ・プロジェクトやリッチー・スティーヴンスら強力な海外アクト、日本勢はサニーデイ・サービスやUAなどのヴェテランに、Yogee New Wavesやnever young beach、Suchmosなどの若手最注目アーティストなど……今年はいつにも増して個性豊かな面々が勢揃いしていますよ~。 *Mikiki編集部
★〈GREENROOM〉代表・釜萢直起氏のインタヴュー記事はこちら
〈Good Wave〉
RODRIGO Y GABRIELA
メキシコ発・超絶技巧のアコースティック・ギター・デュオ。コンスタントに来日してライヴ音源も残すなど固定ファンは多いが、9名の偉人たちに捧げた最新作『9 Dead Alive』(2014年)を引っ提げてのカムバックとあって期待は膨らむばかりだ。フラメンコやサルサからロックやメタルまでを飲み込んだ音楽性と、たった2本のガット・ギターから鳴っているとは思えぬほど情熱的/爆発的なそのサウンドは、初見のオーディエンスをも釘付けにするだろう。日本では2008年の〈フジロック〉以来の野外フェス出演となるので、ぜひ海辺のロケーションと共に楽しみたい。 *上野
RIP SLYME
RIP SLYMEが2年ぶりに〈GREENROOM〉へ帰ってくる! 昨年は通算10作目の『10』をリリースし、キャリア20年を超えてなお精力的な活動を続けている彼ら。毎年海の日に開催される自身の主催イヴェントも好評だが、初夏の横浜で味わう彼らのライヴ/パーティーはまた格別だろう。個人的には、同日に登場する在日ファンクとのコラボ曲“Vibeman”の共演パフォーマンスに期待。 *上野
サニーデイ・サービス
92年から活動する、曽我部恵一、田中貴、丸山晴茂(現在は一時離脱中)の3人組。2000年に解散するも2008年に再結成され、以降は最新作『Sunny』(2014年)を含む2作を発表とコンスタントに活動している。都会に暮らす若者の機敏な心の動きをリリカルに描いた歌詞と、繊細かつ力強いバンド・サウンドで鳴らす〈東京のロック〉は、後続の音楽家への影響も大きい。今年は代表作『東京』の20周年であり、リイシューや記念コンサートも控えた彼らの熟れたステージを楽しみたい。 *Mikiki
SOIL & "PIMP" SESSIONS
昨今、世界各地でジャズの〈新世代〉が喧伝されるなか、2001年の結成から独自の美学でジャズを刷新し、研ぎ澄ませてきた6人組の存在感は、否が応でも増している。持ち味であるソリッドで爆発的な演奏はもちろんのこと、リリースされたばかりの新作『BLACK TRACK』ではレア・グルーヴ~メロウ・ファンクなアプローチを見せるなど、今回のステージも期待が膨らむばかりだ。なお、メンバーのタブゾンビ(トランペット)はTHE King ALL STARSなどのステージにも登場予定。 *鬼頭
在日ファンク
元SAKEROCKの浜野謙太をフロントマンに、ジェイムズ・ブラウン発祥のファンクを日本にいながら(=在日)再確認しようとする7人組。コクのあるグルーヴの上で、ハマケンがキュートかつ粋に振る舞うパフォーマンスには定評がある。5月11日にリリースされる4作目『レインボー』は、昨今の世間の風潮に抗うかの如く、ポジティヴさを極めたアルバムになっており、〈GREENROOM〉でも陽性なヴァイブス全開のステージングを披露してくれそうだ。 *Mikiki
LIFE IS GROOVE
KenKen、ムッシュかまやつ、山岸竜之介による3世代型ファンク・バンド。3者3様の個性が激しく取っ組み合い、猛烈なスピードで転がっていくようなパワフルな演奏は、多くのオーディエンスを圧倒するだろう。予測不可能な楽曲展開にブリブリと唸るベース、ダンディズムを極めたムッシュのヴォーカル、そしてかつて〈天才ギター少年〉と呼ばれた山岸の火を噴くようなプレイを堪能すべし。ミディアム・グルーヴな歌モノも聴きどころだ。 *鬼頭
〈Blue Sky〉
NATTALI RIZE
2010年の回に出演したオーストラリア・メルボルン出身のレゲエをベースにしたバンド、ブルー・キング・ブラウン。そこでリード・ヴォーカルを務めているのがネイティヴ・アメリカンとサモアをルーツに持つナタリー・ライズだ。2014年からキングストンで生活をしてソロ音源を制作。2015年にジャマイカのクルー、ノーティスとのコラボで『New Era Frequency』を発表した。腰にくるルーツ・レゲエ~ダンスホール・サウンドで真の自由を歌う彼女だが、舌足らず気味の歌声はキュートさも感じさせてフレンドリーだ。若き日のローリン・ヒルを想起させるルックスもグッドな彼女のヴァイブスは、心もカラダも熱くしてくれること間違いなし。 *内本
SPECIAL OTHERS
すっかり〈GREENROOM〉常連である地元・横浜出身の彼らも、デビュー10周年を迎えてますます……いや変わらずマイペースに活動中だ。すでにご存知の人も多いと思うが、海を間近に臨む赤レンガのステージとスペアザの相性はバツグン! どんなシチュエーションでもイイ感じに身体を揺らしてくれるナイスなグルーヴは、なかでもちょっと日が落ちてきたくらいの時間帯がいちばん気持ちいいかも。アコースティックの曲もやってくれるかな? *Mikiki
Mikikiで掲載したSPECIAL OTHERSインタヴューはこちら!
★SPECIAL OTHERSが語る、〈変わらない〉ことで進化してきたメジャー・デビュー10周年迎える4人の道程
★SPECIAL OTHERSが新作『WINDOW』を機に語る、本質的にカッコイイものを積み重ねることで洗練された〈メイド・イン・ジャパン〉な音楽
★【ヤセイの同業ハンティング】Vol.1 お互いが師匠であり弟子! Yasei Collective別所和洋×SPECIAL OTHERS芹澤優真の鍵盤対談
UA
デビューからもうすぐ21年となるUA。2005年から都会を離れて田舎で農的生活を送っている4児の母親である彼女が、2009年の『ATTA』以来、約7年ぶりのオリジナル・アルバムを引っ提げて帰ってくる。5月10日にリリースされるその作品のタイトルは『JaPo』(ヤポ)。アイヌ語に由来し、〈Ja〉が陸、〈Po〉が子を意味するそうだ。プロデュースは盟友・青柳拓次(LITTLE CREATURES)が担当している。そこで伝えている〈人間もまた自然である〉というメッセージは、〈GREENROOM〉の伝えんとするところとも大きくリンクするはず。フェスにおける久々のライヴを楽しみにしたい。 *内本
Suchmos
昨年CDデビューを果たし、一気に名を上げたSuchmos。今年はこれまで以上にさまざまなフェスに出演するようだが、彼らのアーバンでブリージンなサウンドは〈GREENROOM〉がもっとも似合うはず! 骨太でロッキンなパフォーマンスも目を惹くし、スタジオ音源よりパワーアップした楽曲を披露してくれるステージがとても楽しみだ。やはり地元で“YMM”(ヨコハマミナトミライ)を聴きたいし、“Pacific”を聴いたらSNS(やる)より港で愛の言霊を囁きたくなっちゃうよね。*Mikiki
★Suchmos、これまでのバンドのモードを総括しつつ新しい自身のサウンドも提示した会心の新EP『LOVE&VICE』を語る
GOMA & The Jungle Rhythm Section
2009年にあった交通事故での高次脳機能障害を経て、2011年に音楽活動を再開したディジュリドゥ奏者/画家のGOMA率いるグルーヴ・バンド。椎野恭一、辻コースケ、田鹿健太(LITTLE TEMPO)といった最強リズム・セクションと繰り広げるそのサウンドは、オーガニックで原始的なのに、この世のものとは思えない未知なる世界へと導く宇宙ミュージックである。ぜひ屋外フェスでこそ体感すべし。 *Mikiki