映画『ホステル』のイーライ・ロス監督が6年ぶりに放つ映画というだけでも過剰な期待をせざるを得ないが、その内容が食人族ものときたら期待を通り越して安心感すらあった本作。相当構えて観たが売りであるグロさに、それほど嫌悪感は抱かずにいられたのは、ところどころに散りばめられているイーライの放つユーモアと編集の上手さがあったからではないだろうか。ただグロい活写に焦点を絞るだけではない巧みさが際立つ。めっきり、減ってしまった食人ジャンル映画が過去の焼き回しに留まらず、新たな切り口で観客に新鮮さを与える傑作。個人的には、韓国の映画監督に食人ジャンルをお願いしたい!