前作でシューマン・プロジェクトを完結したチェリスト、ジャン=ギアン・ケラス。2年振りとなった来日コンサートは連日大盛況。そして今回の新プロジェクト始動による新作リリース。その活動は留まることを知らない。彼自身が長年温め続けていた内容とは、ヨーロッパと中東の伝統音楽と現代音楽を融合させた音楽。これまでとはやはり趣が異なるが、逆にその趣向が聴き手を揺さぶる。1曲目“ハムサ”は現代作曲家、フランク・ルリシュの作品。今まで聴いた事のない旋律に驚嘆。ケラスとメンバー達の見事なテクニックに加え、チェロとリラ、ザルブとダフの組み合わせが新たな音を生み出している。