ユーリズミックスのギタリストでプロデューサーのデイヴ・スチュワートの娘がアルバム・デビューを飾った。おもしろいのが全然歌えないデイヴに対し、この16歳はメチャクチャ歌えるってこと。父の手掛けた“In Love With A Boy”では、モノトーンなエレクトロニック・ビートを背景に、ツッパリ気味のヴォーカルを披露。エッジーでマニッシュな存在感は、彼女も大好きというアニー・レノックスを彷彿とさせるカッコ良さだ。そのほか、約半分の楽曲プロデュースや共作者としてレッドワンが参画。青春映画のサントラを思わせる“Sleepover”など、80年代の産業ロック的なプロダクションを駆使し、歌い方も含めて〈ロック寄りのケイティ・ペリー〉といった印象が。うっすらレゲエのビートを敷いた“16 Dollars”でブルック・キャンディとやり合う姿も勇ましいが、やはり最大の聴きどころはカヤ自身の歌声をじっくり聴かせるバラード群。恐るべき将来性を感じるはずだ