アレックス・パターソンがわざわざ〈チルアウト〉を謳うということで、彼もネタ選びに寄与した(とされる)KLFの名盤『Chill Out』を思い出す人も多いだろう。ユースロジャー・イーノも参加した新作は、静けさも自在に操りながらシンセのレイヤーと環境音で編み上げた本来的な意味での〈アンビエント〉な一枚。ここ10年ほどのオーブでは最良の聴き心地が、奇妙な躁状態で見苦しいあなたたちに落ち着きを提案している。