ビート・ミュージックの要素を人力で表現するマーク・ジュリアナのデヴィッド・ボウイの遺作への参加など、現代ジャズ・シーンにおけるドラマーの躍進には目を見張るものがある。2014年にリリースされたマーク・ジュリアナとブラッド・メルドーによるエレクトリック・デュオ〈Mehliana〉は、人力ドラムンベースとメルドーが弾くフェンダーローズの斬新な組み合わせが衝撃的だった。その〈Mehliana〉をよりポストロックに接近させたような印象の音世界を作り上げているのが本作。ポリリズミックかつうねるビート、ミニマルなピアノのフレーズが新鮮な響きを与えている。