新進で老舗なNYディープ・ファンクの王冠
年頭の立ち上げから、いきなり7インチを連発して話題のビッグ・クラウン。それもそのはず、このレーベルは昨年閉鎖したトゥルース&ソウル(T&S)を継承する形でリオン・ミシェルズが興したものなのだ。T&Sの前身にあたるソウル・ファイアは、さらにその源流となるデスコからダップトーンと枝分かれして生まれたわけで、デスコ設立から20年経った現在も脈々と流れるNYディープ・ファンク/ソウル・リヴァイヴァルの重要性は、界隈を根城とするプレイヤーたちの需要からも明らかだろう(ブルーノ・マーズの新作でも……)。

そんなビッグ・クラウンから2組の注目作が続けざまに届いた。まずはニコール・レイ名義のメジャー活動も知られたレディ・レイのソロ作『Queen Alone』。テリ・ウォーカーと組んだレディでT&S入りするも、相棒の脱退によって再度ソロへ戻ってのこれは勝負作だ。リオンとトーマス・ブレネックがプロデュースし、ホーマー・スタインワイスらが固めた布陣はダップトーン/T&S系の諸作と同様。生々しい60~70年代式の意匠と音像で往年のソウル感を再現する毎度のマナーも、気っぷのいい歌唱にもハマッている。

もう一枚は、T&Sの看板として鳴らした〈リトルJB〉ことリー・フィールズの『Special Night』。60年代から活動するもディープ・ファンク文脈でやっと日の目を見たヴェテランだけに、この変わらなさこそが宝だとも言える。バックはT&Sの頃と同じで、中身も毎度の良品だ。
なお、ビッグ・クラウンという名は、恐らくあのキング・レコードに倣ってデスコがロゴに戴いた王冠に由来するもののはず。同門のダップトーンと同じく、今後のビッグな動きに留意しておきたい。