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ビッグ・クラウンの看板シンガー、レディ・レイも新作を発表!

 エル・マイケルズ・アフェアの新作『24 Hr Sports』は名前の立った豪華なゲスト陣も話題ながら、これまでも同プロジェクトのバックを支えてきたレディ・レイの存在を忘れちゃならない。もともとミッシー・エリオットに見い出され、ニコール(・レイ)名義によるメジャー・デビュー曲“Make It Hot”で全米TOP5入りを果たしたのは10代の頃。その後はメジャーの荒波に揉まれてロッカフェラやレーベルを転々とし、そのなかで出会ったのがトゥルース&ソウル時代のリオン・マイケルズだった。ここでテリ・ウォーカーとレディなるデュオを組んでアルバムを発表するも、彼女の脱退によって再度ソロに戻り、レディ・レイの名前で設立されたばかりのビッグ・クラウン入りしている。つまり彼女はレーベル最古参の看板シンガーというわけだ。

LADY WRAY 『Cover Girl』 Big Crown(2025)

 そんな彼女が傑作『Piece Of Me』(2022年)以来となる、同名義で3作目のアルバム『Cover Girl』を完成した。レーベルがこれまで培ってきたトラディショナルなソウルやゴスペルのマナーに加えて、今回は前作以上に90年代のR&B/ヒップホップのテイストを盛り込み、往年のスタイルをモダンに表現している。これまでリオンと組んで確立してきたスタイルとそれ以前からの持ち味を織り交ぜ、唯一無二なキャリアから紡いだ素晴らしい歌声を堪能していただきたい!

左から、レディの2013年作『Lady』(Truth & Soul)、レディ・レイの2016年作『Queen Alone』、2022年作『Piece Of Me』(共にBig Crown)