AAAではドーム公演を行う一方、ソロでのライヴ展開にシングルやアルバム『カタルシス』、そしてSALUとのタッグ作と、2016年も止まらぬ活動を見せたSKY-HIが、先のコラボ盤から3か月で早くも3枚目のソロ・アルバムを発表。ネガティヴをひっくり返すことがテーマだった前作のマインドをよりポジティヴに押し進めたその世界は、活動ペースそのままに溌剌と生気に満ちている。冒頭の“リインカーネーション”は、〈変わらない世界/変えられる自分の視界〉という一節に作品全体の精神が息づく曲。ファルセット交じりのフックも、〈人は生まれ変われる〉という思いを温かく後押しする。ブラスを従えた分厚いバックに彼の歌いぶりが躍動する“Double Down”は、ライヴの熱狂を想像させるクライマックスの一つに。すべてを越えてハッピーに着地した思いを曲いっぱいに満たすラストの“ナナイロホリデー”まで、全編の骨格を担うソウルやファンクをベースとしたオーガニックな音に、歌と地続きなスタイルが溶け込んだ一作だ。