人気ヴァイオリニスト、リーラ・ジョゼフォヴィッツのために書き上げられた劇的交響曲。タイトルだけ見るとかのリムスキー・コルサコフの同名曲を思い起こさせ、曲想はアダムスの作品中最もロマンティックなものとなっている。が、そこは現代。主役がしっかり女性 (ジョゼフォヴィッツ)になっているのは勿論の事、イスラム圏でも強く生きる賢い女性を独奏ヴァイオリンに託し独特な世界を生み出している。それにしても「ニクソン・イン・チャイナ」でも聴かせてくれたように、その時代が抱える問題をウィットかつ分かり易く表現するのが、アダムスは本当に上手いなあ、と改めて驚かされた次第。