正式なデビュー前にもかかわらず、昨年の〈フジロック〉で〈WHITE STAGE〉に立った破格の新人4人組が、注目のファースト・アルバムをドロップ。ロンドンに住む中心人物のマッティ・ヴァントは20代半ばで、物心ついた頃からいわゆる〈ポスト・グランジ〉な作品を聴き漁っていたとか。なかでも彼はヴァインズに心酔し、憧れの先輩が奏でる〈ニルヴァーナmeetsビートルズ〉と評されたグッド・メロディーやパンキッシュな爆音ガレージ/ロックンロールを、自身の作品にもきっちり取り込んでいる。しかし、ザラついた粗さのある感覚を継承しつつも直情的なだけじゃなく、全体を通して聴けば細部にいろいろなアイデアが潜み、音の抜き差しも巧みだということがわかるだろう……とか書いてみたものの、ぶっちゃけ何が一番の魅力かってマッティのカリスマティックな佇まい。ルックスも申し分なく、こういう華やかなフロントマンのいるバンドがロックを救うのだと思う。