DON'T LOOK BACK INTO THE SUN
[ 緊急ワイド ] UKロックの次なる覇者は誰だ?
大物バンドのリユニオンも重なって復調著しい英国ロック界。しかし若手の底上げがあってこそ、ムーヴメントは未来へ繋がっていくというもの。期待の新星が続々と登場している2017年。本当の盛り上がりはここから始まる!
今年アルバム・デビューを飾った要注目の英国人ロッカーたち
アークティック・モンキーズに憧れて14歳でバンドを始めた彼らが、結成から6年目に満を持して放った一撃。アークティックがストーナー化していったのと歩を合わせるように、アメリカン・ロック的なダイナミズムやサイケ感も手に入れて、シャーロックスの一人勝ちに待ったをかける! *柴田
このロンドンの4人組は少々グランジ臭を漂わせながらも、それ以上にセックス・ピストルズやクラスらUKパンク系譜の破壊力/B級感をガッツリ前に出していて頼もしい限り。爆音ぶりはロイヤル・ブラッドの後をピタッと追いかけるものだし、ヴォーカルがイケメンなのもポイント高いです。 *山西
〈フジロック〉出演も記憶に新しいレディングの4人衆。演奏の感じこそフー・ファイターズみたいなスケールのデカさですが、失恋した際に本作用の曲を書いたというだけに歌メロはどうしようもなく湿っていて、そこが英国的です。プロデュースはウルフ・アリスで当てたキャサリン・マークス! *山西
〈カサビアンの後継者〉との呼び声も高いロンドンのダンス・ロッカーたち。程良くソウルフルな骨太ヴォーカルと大バコ映え必至のシンセ・アレンジ、そしてカウベルの効いた裏打ちのリズムが問答無用で聴き手を踊らせる! MVの監督をマイク・スキナーが務めるなど先輩ウケも良好だ。 *柴田
バーバリーのモデルも務めるベン・グレゴリーをフロントに据えたハンプシャー出身のブレナヴォンは、ヘルマン・ヘッセやイーヴリン・ウォーを愛読する3人組。文学性の高い楽曲はいずれもスミス指数が高く、とりわけベンのヴォーカルからはモリッシー的な渋味が感じられて胸アツ。 *柴田
〈トリップ・ホップ化したキュアー〉なんて形容したくなる暗く重たい演奏に、シャーマニックな女声がマッチ。ダン・キャリーがプロデュースを買って出て、ジェイムズ・ブレイクも大絶賛……と良い流れに乗り、南ロンドンのバンド・シーンを出発点に〈ポストFKAツイッグス〉へ急浮上! *山西
記事が出る頃には〈サマソニ〉での初来日公演を終え、日本でも大きな話題となっているであろうハートフォードシャーの18歳。スクール・カーストやテロ事件をテーマに、ありのままの気持ちを真っ直ぐ伝えるギター・ロックを身上とし、ジェイク・バグのポストを脅かす逸材だ。 *柴田
ファリス・バドワン(ホラーズ)の実弟を中心とするこのバンドは、兄貴の影響を反映させた耽美でゴシックなムードと、ピクシーズやスマッシング・パンプキンズっぽい攻撃的なギターをブレンドしたサウンドがウリ。グランジ回帰勢の中でも、他にはない個性を発揮している。 *柴田
女性ガレージ・ロック・バンドに注目が集まるなか、昨年の覇者がスペインのハインズなら、今年はロンドンのこの娘たちでキマリでしょ! 冒頭の“Sucker”以下、うんざりするほど退屈な日常を荒々しいギターと怠そうな歌声で表現。〈女性版リバティーンズ〉なんて異名も伊達じゃない! *山西
ワン・ダイレクションやマクバステッド的な元気印のパワー・ポップをインテリなインディー寄りにするという、ありそうでなかった音が新鮮。ヴァンパイア・ウィークエンド顔負けな冒頭の南国ロックはメンバー同士が恋に落ちた時の様子を歌ったものだったり、歌詞もロマンティックで良し。 *山西
元ボクサーという経歴を持つオックスフォードの22歳。ブルース・スプリングスティーンに憧れているようですが、彼の鳴らすロックンロールにマッチョな要素はなく、ここにあるのはジョナサン・リッチマン的な脱力感。UKからマック・デマルコの強力なライヴァルが現れましたよ! *山西
わちゃわちゃしたコーラスで畳み掛ける、こういうおきゃんなパンクを待っていた! ロンドンに住む3人娘が放ったこちらのアルバムは、ストロベリー・スウィッチブレイドやバッド・ドリーム・ファンシー・ドレスら80年代に活躍したお姐様方を思い出させる甘酸っぱさでいっぱい! *柴田