コラム

ばってん少女隊『ますとばい』 スターダスト100年に一組の逸材が豪華ミュージシャンを従えて送る、マストなファースト・アルバム!

【ZOKKON -candy floss pop suite-】 第67回 Pt.2

ばってん少女隊『ますとばい』 スターダスト100年に一組の逸材が豪華ミュージシャンを従えて送る、マストなファースト・アルバム!

100年に1組の逸材ならではのマストなアルバムばい!

 ももいろクローバーZや私立恵比寿中学はもちろん、名古屋のチームしゃちほこ、大阪のたこやきレインボーといった姉妹グループと比べてもまだキャリアは浅いものの、不敵にも〈スターダストプロモーション100年に1組の逸材〉をキャッチフレーズに掲げる〈ばっしょー〉こと、ばってん少女隊。2015年6月に福岡を拠点に始動した彼女たちは、メンバー全員が九州~山口で育った現在13~17歳の6人組であります。デビュー作は同年9月の九州限定シングル“ばってん少女。”でしたが、それに先駆けて〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉出演を実現させており、大きな期待を背負って2016年4月には早くもメジャー・デビュー。それに前後したタイミングでZepp Fukuokaでのワンマンを成功に導くなど、〈逸材〉を自称するに相応しい異例のスピードで駒を前に進めてきたわけです。

 そんな彼女たちの魅力が、6人個々のキャラクターのみならず、豪華な制作陣の手掛ける楽曲のキャッチーさにもあるのは衆知の通り。昨年4月のメジャー・デビュー・シングル“おっしょい!”では作詞・作曲・編曲をASPARAGUSの渡邊忍(ギター)が担い、演奏陣にもそのASPARAGUSの原直央(ベース)、Hi-STANDARDの恒岡章(ドラムス)、WUJA BIN BIN他の中村圭作(キーボード)らが名を連ねるという話題性と共に、スカコアを基調にしたグループのサウンド・カラーを確立することにも成功。続く9月のセカンド・シングル“よかよかダンス”はKEYTALKの小野武正が書き下ろし、そのKEYTALKやBABYMETAL、ももクロらを手掛けてきた重鎮NARASAKIが編曲を担当するナンバーで、こちらもスカのフレイヴァーを取り込みつつ弾けるようなメロディー展開も楽しいダンス・ロックに仕上げられていました。

 さらにさらに、今年2月のシングル“すぺしゃるでい”は、SCAFULL KINGの4106xxx(ベース)が作曲・編曲。BACK DROP BOMBのMASUO(ドラムス)、BRAHMANのKOHKI(ギター)、先述の中村圭作(キーボード)、浅草ジンタのシーサー(トランペット)、SCAFULL KING /WUJA BIN BINのNARI(サックス)……というとんでもないメンツを従えて、人情味の溢れる青春スカ・パンクに堂々とアプローチ。一方でそのカップリングには、フレデリックの三原康司による詞曲をそのままフレデリック流儀のアレンジでポップに仕上げた“コトバテニス”も収められ、6人の持つ素朴で新しい表情を見せてもくれたのでした。

ばってん少女隊 ますとばい Colourful(2017)

 そんな快調なステップを思えば、このたび届いたファースト・アルバム『ますとばい』の充実ぶりは想定できたでしょうが……その出来上がりは完全に予想以上! オープニングを飾る“おっしょい!”に続くのは、インディー時代のデビュー・シングル“ばってん少女。”をバンド演奏でリテイクした〈ますとばいver.〉で、そのバンドにはギターの田渕ひさ子(toddle他)とベースの中尾憲太郎という元NUMBER GIRL組が顔を揃え、ドラムスに先述のMASUOという福岡の強者たちが居並び、NARIとシーサー、トロンボーンの小池隼人から成るホーンズも楽曲の威勢の良さを倍増させています。その“ばってん少女。”同様にAKIRASTAR(ももクロ、Buono!他でお馴染み)が作詞・作曲・編曲を手掛けたタイトル・トラック“ますとばい!”でも同じ演奏メンバーが集結しており、こちらはバースト系の展開とギター・ソロもカッコいいベスト・トラックのひとつになっているのではないでしょうか。

 九州繋がりでは、BiSやBiSHを手掛ける福岡出身の松隈ケンタ(SCRAMBLES)らしいパワフルな“STORM!”もエモさが眩しい感動的なロック・チューン。作詞を担当するのは以前“夢のキャンバス”も書いた鹿児島出身のノマアキコ(PIGGY BANKS/トーキョーキラー/元GO!GO!7188)で、九州の血が騒ぐ熱いナンバーに仕上げています。さらに“すぺしゃるでい”と同様に4106xxxの手掛けたもう1曲“乙女ノ手札”ではアカシックの理姫が作詞し、KOHKIらに加えてtoe/the HIATUSの柏倉隆史(ドラムス)も演奏に参加したルーディーな出来映え。ただならぬロック・テイストに溢れた作品トータルの雰囲気は、これらの楽曲群が象徴するものでしょう。

 もちろんアルバムの彩りを保証する楽曲のタイプはさまざまで、ヤマモトショウ(元ふぇのたす)が作詞・作曲、宮野弦士が編曲を担ってキュートな賑やかさを注ぎ込んだ“びびび美少女”をはじめ、作詞が児玉雨子、作曲が吉田哲人、編曲がGAGAKIRISEの吉澤幸男という布陣の60sモータウン風ポップ“夢のスコール”、松田岳二がLEARNERSを率いて演奏したロカビリーの“とーと。”とヴァラエティー豊か。福岡が生んだ〈演歌界の貴公子〉こと山内惠介がメンバー個々の名前を歌い上げていくGS~エレキ歌謡テイストの自己紹介ソング“のびしろ行進曲”もユニークです。なお、そこで作詞・作曲・編曲を手掛ける(元アンジーの!)中谷信行、詞を共作する川之上智子は以前も“君の手”を手掛けた福岡コンビであります。

 かように地元フレイヴァーもまぶして豪華に仕上がった『ますとばい』、当然Must Buyにしてマストばい、ですね。

 

ばってん少女隊のメジャー発シングル。

 

『ますとばい』参加アーティストの関連盤を一部紹介。

関連アーティスト
TOWER DOORS
pagetop