FKJ(FRENCH KIWI JUICE)というフランスのDJ/プロデューサーをご存知ですか? 私はつい最近まで知らなかったんですが、音楽専門の電子書籍〈音専誌〉編集者の佐藤研さんが、〈ホントに新しいR&Bとはこういうものでしょう〉とアリス・ラッセルの“Hurry On Now”をリミックスしたFKJについてツイートしていて、即はまってしまいました。管弦楽器とコーラスをバックに切々と唄い上げるジャジーな原曲を、メロウでアンビエントないまのR&Bに見事にアップデート(〈アップデート〉という言い方、よく見かけて使いたかったので使ってみました)。
お次にテンプテーションズ“Cloud Nine”のリミックスも拝聴。これもやられた……! いなたくソウルフルな原曲を、よりダンサブルに、よりグル―ヴィーに仕立てています。なんてことはない夜も、この曲をかければおしゃれなアーバン・ナイトに様変わり。
極めつけは昨夏にリリースされた4曲入りのEP『Time For A Change』。全編にわたってR&B~ソウル~ファンク~ディスコの香りをふりまき、ゴキゲンにバウンスするビートにメロディアスでキラキラしたウワモノが乗るという、個人的〈キテル〉ポイントを刺激しまくりの作品であります。そしてここが一番のキモなんですが、FKJは女性ヴォーカルにおけるピッチの扱い方とサンプリングの仕方が絶妙だなと。とくに切なさ全開の“Lying Together”を聴いていると、音痴かつ高音域が出ない私も、彼の手にかかれば歌唱力抜群のディーヴァになれるのではと夢想してしまいます。
ということで、ここ最近のカンフル剤、FKJのご紹介でした。フィジカルが出てないっぽいのでそのリリースに期待! それでは今日はこの辺で!