ブラジル音楽に一方ならぬ情熱を抱いてきたロンドンのDJ、ジョー・デイヴィスが主宰するファー・アウト。今年で設立20周年を迎えた同レーベルが、W杯の熱狂と歩みを同調するように怒涛のリリース攻勢を仕掛けている。
まずその核となるのが、ファー・アウト・モンスター・ディスコ・オーケストラの12インチ音源などをまとめた『The Far Out Monster Disco Orchestra』だ。アジムスのホセ・ロベルト・ベルトラミ&アレックス・マリュエロスが中心となり、ブラジル音楽とソウル・ミュージックへ敬意を表すべく2009年に結成されたバンドで、ストリングスやホーンを従えたリッチなそのサウンドは、フィリーへのオマージュとも言える芳醇なもの。アナログ機材のまろやかな感触がいっそうの魅力を引き立て、極上の一時を約束してくれる。
【参考動画】ファー・アウト・モンスター・ディスコ・オーケストラの2009年のプロモーション動画
続いてコンピ『Friends From Rio Project 2014』も聴き逃せない。こちらは先述のアレックス他、イルドンやアレーらの新曲を収録し、エレガントなブラジリアン・ジャズ盤となっている。
そして最後に紹介するのが、バイーア、ペルナンブーコ、サンパウロの注目株を確認できる『Brazilian Bass』。同地の多様なリズムに今様のベース音楽をブレンドしたクラブ・ユースな一枚で、ジョーの面目躍如といった仕上がりだ。