個別の活動が活発なオッド・フューチャーからリーダー格のタイラーが放った約2年ぶりのニュー・アルバム。先行リーク段階でタイラーが自身もゲイであるとカミングアウトしているのでは……の噂が流れ、神格化されてしまった同胞フランク・オーシャンとコラボした“911 / Mr. Lonely”とエイサップ・ロッキーを招いた“Who Dat Boy”(MVも強烈)という対照的なインパクトのある先行曲を同時公開するなど大きな注目が集まるなかでリリースを迎えた本作には、これまで同様に多彩なゲスト勢が参加。タイラーの紡ぐ内省的な世界観を、時に陽気に、時に不気味に彩っており、なかでもフランクを筆頭にカリ・ウチスやエステルといったシンガーと共に作り出した幻想的な楽曲群が秀逸だ。