ドレイクとの長引くビーフや相思相愛だったニッキー・ミナージュとの破局など、ここ数年は私生活のドラマにばかりフォーカスが当たり気味だったミーク・ミル。辛酸を舐めさせられた状況を乗り越えてドロップしたオリジナル・アルバム3作目だ。ドレイクとのビーフが激化するほどに、ドレイクにはないミークの生粋のギャングスタ気質が高く評価されたような気運もあり、ミークの株を上げた一面も。タイトル通り、勝敗の両面を味わってきたタイミングだからこそ、これまで以上に幅広く活気溢れる仕上がりに。“1942 Flows”では〈俺に会ってもニッキーのことを聞くんじゃねえ〉とスピットし、覚悟&ケジメを表明する場面も。ミークの持ち味であるリアルなストリート描写もいつも以上に冴えており、ドラマティックなイントロから始まる序盤の流れは秀逸。リック・ロスやフューチャー、クエイヴォ、リル・ウージー・ヴァートにクリス・ブラウンらのサポートもアツく、火傷しそうなミーク節が全編に渡って炸裂する。