INTERVIEW

2017年最大の異形フェスはいかにして生まれたか? 〈FESTIVAL de FRUE〉主催が語る 「誰よりも自分が気持ちよく踊りたい」

FESTIVAL de FRUE 2017特集 Vol.2

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予測不能のパフォーマンスに期待の出演陣、年に一度〈振り切った〉人たちと再会する場所

――今回の〈FESTIVAL de FRUE〉ですが、大規模なフェスはいつかやりたいと思っていた?

「2006年の〈TPC〉以降、いつかやりたいとは思ってました。バンドがいて、DJがいて、総合的に見せたいという思いがあります。ハコのイヴェントだとどうしても出演者ありきで行くか・行かないかを決めると思うんですけど、フェスの場合はもう少し裸の感受性のままで来てもらえるというか。〈よくわからないけど、行ってみよう〉と思ってもらえるケースも多いだろうし、予想外のものに出会ってしまうこともあると思うんですね」

――今回の出演者をざっと紹介していただきたいのですが、一番の話題を集めているのは、やっぱりモロッコからやってくるマスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカですね。

「ジャジューカのことはクリッターズ・バギンと一緒にやった曲(“Kilgore Jajouka”)で20年前に知ったんですけど、やっぱり生前のブライアン・ジョーンズがハマっていたことで有名ですよね。今回は両日とも出演するんですけど、初日はPAを使ったステージ、2日目は昼間にユルめのセッション、夜中にジャジューカ村を再現したテントのセットを予定しています。なかなかブッキングができないと噂だったアシッド・パウリはジャジューカとアイドリス・アッカムール&ザ・ピラミッズが出ることを知って出演を承諾してくれたみたいで、それぐらいの存在ですよね」

ジャジューカの2015年のパフォーマンス映像
 

――そのアイドリス・アッカムール&ザ・ピラミッズが来るのもびっくりしました。

「今回のラインナップのなかでジャム・バンドっぽいバンドをひとつ入れたくて、そのときに思い浮かんだのがピラミッズでした。彼らは〈OG〉で呼んでいてもおかしくないバンドだと思うんですよ。ピラミッズはサン・ラーっぽい宇宙観もあるし、アフロビートで腰にクる。アルバムもすごくいいんですよね」

アイドリス・アッカムール&ザ・ピラミッズの2016年作『We Be All Africans』のタイトル曲
 

――トーマッシュ擁するヴードゥーホップ勢がまとめて来るのも凄いですよね。

「トーマッシュは来日するたびに〈ヴードゥーホップのチームとして日本に来たい〉と言ってて。今回はトーマッシュを合わせて7人で来てもらうんですが、なかにはダンサーとしてパフォーマンスを披露する予定のDJもいて、いわばヴードゥーホップというバンドみたいなものなんだと思います。今回はメイン・ステージと別にもうひとつオープンエアのステージを作ろうと考えているんですけど、2日目は全日ヴードゥーホップにやってもらおうと思っています」

――ファビアーノ・ド・ナシメントについてはいかがですか? ナウ・アゲインから2015年に出た彼のアルバム『Danca Dos Tempos』はリリース当時話題を集めましたよね。

トーマッシュにはメイン・ステージでDJをしてもらうんですけど、ファビアーノにはその前にパーカッションとのデュオでライヴをやってもらうことになってます。ジャンルは違えども、トーマッシュ~ファビアーノ・ド・ナシメントを繋げることで〈音楽大国ブラジル〉の奥深さを感じてもらえればと思います。ファビアーノはアルバムだとアイアート・モレイラと一緒にやってるくらいの本格派です。僕もLAで一度ライヴを観たことがあって、空間が渦を巻くように高まっていくような恍惚感のあるパフォーマンスで凄かったです。LAではニュー・ニューエイジ系とも呼ばれる人たちのなかでじわじわ人気を獲得している、進行形かつ次世代のみずみずしい音楽ですね

ファビアーノ・ド・ナシメントの2017年作『Tempo Dos Mestres』収録曲“Louva-A-Deus 'Mantis'”
 

――日本勢もちょっと意外なラインナップですよね。∈Y∋やDC/PRGはともかく、水曜日のカンパネラや高木正勝、OGRE YOU ASSHOLEがブッキングされるとは思いませんでした。

「ジャジューカはかつてオーネット・コールマンともやってることもあって、ジャズ的なバンドは呼びたかったんです。菊地(成孔)さんのプロジェクトはどれも踊れるし、おもしろいので、DC/PRGを呼ぼうと。水曜日のカンパネラは何が起きるかわからないライヴ・パフォーマンスがすごく良いですよね。あと、野外フェスの空間のなかでピアノの音が欲しくて、だったら高木正勝さんだろうと。高木さんとは同世代なんですが、そういったアーティストにも出演してもらいたかったんです。オウガは昨年末に〈TAICOCLUB〉と一緒に開催したカウントダウン・パーティーにも出演してもらったし、その時の演奏も凄く良かったので」

※オーネット・コールマンの73年作『Dancing In Your Head』収録曲“Midnight Sunrise”で共演

水曜日のカンパネラ、2017年の宮城・石巻市でのライヴ映像
 
今回バンドセットで登場する高木正勝の2015年のライヴ映像
 

――あと、会場のつま恋リゾートについてなんですが、昨年経営母体が変わって今年グランド・オープンしたばかりだそうですね。

「そうなんですよ。11月でも野外フェスをできる場所ということで、静岡の海寄りの地域で屋根のある会場を探していたんですけど、そのなかでつま恋リゾートが浮かんできて。メインのステージは半野外で客席も屋根に覆われているので雨合羽もレインブーツもいらないですし、フェス初心者でも気軽に来れます。あと、今回初めて知ったんですが、静岡はオーガニックに特化した飲食店がたくさんあるんですよね。それでフード・ブースでの化学調味料やケミカル系添加物の使用は厳禁にさせてもらっていました。フードでもオーガニックをキーワードにできればと考えています」

――ここまで話を聞いてきて思ったんですが、出演者だけじゃなく、フード出店やスタッフも含め、ある意味で〈振り切った人たち〉が集うフェスという感じがしてきました(笑)。

「そうかもしれませんね。お客さんも振り切った人たちが集結しそうな気がしてますし(笑)」

――そういうフェスがあってもいいと思うんですよね。老若男女誰もが気軽に遊べるフェスもいいけど、振り切ったオーディエンスが集まるディープなフェスがあってもいいわけで。

「振り切った人たちを一年に一度どこかに集めたいという気持ちはありました(笑)。あと、今回のフェスは規模自体そこまで巨大なものではないので、会場に足を運んでもらえれば、古い友人と再会することなんかもできると思うんですね。そういう生前確認の場所を作りたいという思いもすごくあって」

――1年に1回再会できる場所を作りたい、と。

「それもフェスの意義だと思うんですね。あと、最近イヴェントをやろうとすると、若い世代をどうやって集めていくか、そういうことばかりが議題に上りがちですけど、格好良い大人が集まっていれば若い子は自然に集まってくるんじゃないかと思っています。だから、若い世代を集めるためにブッキングしたアーティストは今回一組もいない。みんな僕らが本当におもしろいと思うアーティストばかりなんですよ」

 


FESTIVAL de FRUE 2017

日時:2017年11月3日(金・祝)、4日(土)
場所:静岡・つま恋 リゾート彩の郷
開場/開演:10:00/13:00
終演:3日/5:00 4日/26:00 ※時間はいずれも予定
出演:
〈11月3日〉
マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ、アシッド・パウリ、
ババズーラ with Nourah、DC/PRG led by 菊地成孔、∈Y∋(BOREDOMS)、ヴェッセル、水曜日のカンパネラ、BLACKSHEEP、HOLE AND HOLLAND
〈11月4日〉
マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ、アイドリス・アッカムール&ザ・ピラミッズ、高木正勝(バンドセット)、ファビアーノ・ド・ナシメント、
OGRE YOU ASSHOLE、ヴ―ドゥーホップ(トマッシュ、ウルブ・マリンカ、ピーター・パワー、シロサンプルズ、KALOAN、A MACACA)
チケット:
前売2日通し券:17,000円
前売1日券:10,000円
キャンプサイト券:2,000円(1名)
南駐車場駐車券:3,000円
web shop : https://frue.shop-pro.jp
e+:http://eplus.jp/
Peatix:http://peatix.com/event/299487
※キャンプサイト券は1名様につき1枚必要
※駐車券は車1台につき1枚必要
※12歳以下は無料
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