客演したポスト・マローンの“Rockstar”が目下大ヒット中でもあるアトランタのラッパー、21サヴェージ。見た目通りのサヴェージなスタイルと正統なるトラップの後継者的なスタンスで人気を集め、シーンの大物たちとの共演やXXLの人気企画〈Freshmen〉への選出、さらにはかのアンバー・ローズ(カニエの元恋人でウィズ・カリファの元嫁)とのロマンスや22サヴェージらパロディーの登場……とその存在が多方面で話題となるなかで待望のファースト・アルバムがリリースとなった。コラボ作もリリース済みのメトロ・ブーミンを筆頭にゼイトーヴェンら、現行シーンを代表する精鋭ビートメイカーが集結。持ち味である体温低めなラップ・スタイルでサヴェージかつリッチなライフスタイルを淡々と綴っていき、それを活かすように音数の少なめなビートがハードボイルドなムードにアルバム全体を統一している。客演皆無で色気も華やかさもないが、この殺伐としたアウトレイジ感がたまらない。