昨年劇場公開され話題を呼んだ作品がリリース。惜しまれながらオペラからこの度身を引いたナタリー・デセイが2011年に歌った、エクサン・プロヴァンス音楽祭での「椿姫」上演に向けて舞台を作り上げていく姿を追う。シヴァディエの細部まで綿密に指示を出す演出ぶり。それと掛け合うデセイ。衣装や小道具等の裏方のスタッフの姿、中でもコレペティトゥーアがこの曲について語るシーンはスタッフひとりひとりの作品への愛情、情熱が象徴的に伝わってきて印象的。オペラの冒頭から順を追ってラストシーンまでを描いているので、まるで実際の舞台を見ているよう。実に洒脱で秀逸なドキュメンタリー映画です。