赤西仁のニューアルバム『Blessèd』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン〈tower+〉の臨時増刊号〈別冊tower+〉を発行! 本人の言葉を交えつつ、『Blessèd』の内容から主宰レーベル〈Go Good Records〉についてまで徹底解剖いたします!! 別冊tower+は、タワーレコード全店で12月11日(月)より配布スタートです!
※別冊tower+の配布開始時間は店舗によって異なります。
※別冊tower+は無くなり次第終了となります。

※タワーレコードオンラインは除きます。

 


日本国内のみならず、中国を筆頭にアジア圏でも高い人気を誇る赤西仁。そんな彼がユニバーサルミュージックをパートナーに迎え、本格的な世界進出を目指す。上質なトラックと全編英詞のヴォーカル。彼がよく言う<Good Music>を体現したかのような最新アルバ『Blessèd』は、邦楽でも洋楽でもないグローバルな「音楽」が詰まっている。

 

赤西仁主宰のレーベル、Go Good Recordsとユニバーサルミュージックが業務提携を結び、〈Are You Listening To GOOD Music?〉というメッセージを掲げ、第1弾となる作品を発表。赤西仁のソロ通算7枚目のフル・アルバム『Blessèd』である。2017年5月5日、6日の2日間にわたって東京・国立代々木第一体育館で開催された〈JIN AKANISHILIVE 2017 in YOYOGI~Résumé~〉で初披露され、ファンの間でも反響が大きかった新曲“Fill Me Up”、“Yesterday”含む全10曲を収録。ジャスティン・ビーバー、リアーナ、ブルーノ・マーズ等でも有名なプロデューサー・チーム、ステレオタイプスが先述の2曲を提供したほか、それ以外の外部クリエイターも積極的に起用。もちろん、赤西自身の作詞・作曲のナンバーも多数収録されている。まさに〈GOOD Music〉な充実の作品に仕上がった。

独特な艶感をたたえた歌声は、“One Addiction”のようなアップリフティングな曲の時にはフックになるし、“Yesterday”のようなメロディアスな曲の時には雰囲気を盛り上げてくれる。実体験をもとに書かれた歌詞というよりは、「今回は想像の世界が多いかもしれない」という言葉どおり、本作での彼のヴォーカルは〈ここではない、どこか〉を強く感じさせるものが多い。そしてそれは赤西がコンサートで表現しているイメージや世界観にも通じるものだ。

「最近は曲に合わせて声質を意図的に変えたりしていて、それがハマった時は気持ちいいですね。もっと練習してうまくならなければと常に思います」。歌詞はすべて英詞。2015年のアルバム『Me』の時は「基本的に英語で歌詞は書くんですが、とにかくリズムや譜面割りを大切にしてます。この書き方を極めていけば、それが自分の個性になっていくと思う」と語っていたが、その成果が本作ではしっかりと形になって表れている。赤西のヴォーカルが曲を構成する“楽器”の一つになっているのだ。

ヴォーカリストとして、ソングライターとして、プロデューサーとして、自分の歌唱をいろんな視点から捉えられるのも、赤西仁というアーティストの強みだ。

さまざまな顔を持つ赤西だが、もう一つ忘れてはいけない大事なことがある。独立後に立ち上げた自主レーベル、Go Good Recordsのボスでもあるのだ。今回のユニバーサルミュージックとの業務提携は、アーティスト個人としてではなく、あくまでもレーベル単位でのビジネス主体の契約となっている。アーティスト単位の視点だけではなく多様な視点を持つことで、自分の音楽レベルを上げ、日本だけでなく海外に音楽を発信していく。そのためのプロジェクトなのだという。

2016年のアルバム『Audio Fashion』の時に「音楽業界のビジネスのあり方が大きく変わってきている状況の中で、自分が好きなサウンドを自由に表現して、なるべく多くの人とシェアしていきたい」と話していた赤西。今回の業務提携はそのためのステップの一つでもあるのだ。とはいえ、独立してからの4年間、そこで得た経験は赤西にとってかけがえのないものになった。

「若い頃から雇っていただく方の立場だったので、会社の仕組みだったり、今まで見えなかった部分が見えるようになったことは勉強になりました。独立してよかったと感じるのは、それこそお金のことも含めて、ゼロから作品づくりに関われるところです。可能な限り自分たちだけでできますし、キチンと自分が作ろうとしているところにお金をかけられる。たまに(お金を)かけすぎて怒られますが(笑)」

これまで「自分自身を含め、とにかく楽しむこと」を実践してきた赤西。誰かのための音楽ではなく、自分のための音楽を大事にしてきた彼の姿勢は、これまで一貫している。最近は忙しすぎてあまり遊びに行けていないというクラブの現場感や日々チェックしている海外の音楽・映画・ドラマなど、彼が表現したいのは世界中の人が楽しめるポップ・ミュージックであり、そのために必要なものは何なのか感覚的にわかっているはずだ。

世界を目指す一方、昔から変わらないものもある。今回のアルバム『Blessèd』のタイトルには、〈楽しく音楽をできる喜びと感謝の気持ち〉という意味がこめられている。喜びを分かち合いたい人、感謝したい人は?と聞くと「ファンの皆さん」だという。自分のための音楽ではあるが、プロとして誰かのための音楽になるように全力を尽くすのが、赤西仁の流儀なのだ。

「ファンの方の声は大事です。ライブ会場で直接コミュニケーションをとることも多いですが、厳しいことや文句を言われたりした時は真摯に受け止めます。ただあまりにショッキングなことを言われたら、反論します」。彼のやりたいことをサポートしてきたファンとの関係性は、独立をきっかけに一層深まったことは間違いない。今後、活動の幅が広がっていっても、その絆は変わることはないだろう。

お互いに言いたいことは言う。一緒に音楽を作る仲間もいれば、クラブに行って遊ぶ仲間もいるし、普段そんなに会わないけど、ときどきゴハンを食べながら深い話をするような仲間もいる。赤西にとって、ファンとはそういう存在なのだ。「たしかに仲間ですね。僕らはみんな一緒に成長していってるんです(笑)」