一応断っておくと、れっきとした日本映画である。プロデューサーの山本又一朗が資生堂、日本テレビ、東宝の3社から10億円の資金を調達し、監督に「シェルブールの雨傘」のジャック・ドゥミ、音楽にミシェル・ルグランを起用。オールフランスロケ、更に特別な許可のもとベルサイユ宮殿での撮影まで行われるという異例&快挙。果たしてその内容は、原作のイメージからかなり離れたものとなってしまったため、原作のファンであればあるほど怒り心頭な代物となってしまったことは否定はできない。但し、ジャック・ドゥミの監督作品として考えれば「都会のひと部屋」の系譜に連なる作品として再評価すべき時が来ているようにも思われる。