実に14年ぶり。作曲家のビリー・ハワーデルと、トゥールのフロントマン=メイナード・ジェイムズ・キーナンを核とするオルタナティヴ・メタル集団が放った通算4作目である。著名メンバーによるスーパー・グループというイメージはやや薄れたものの、スマッシング・パンプキンズに再合流したばかりのジェイムズ・イハも変わらず名を連ねている。表題には〈大きなことを成し遂げる〉といった意味合いがあり、通常は〈象を丸ごと食べるには一口ずつ〉という言い方をすることが多いようだが、むしろ今作には長き不在を瞬時に帳消しにするかのような心地良いフィット感がある。あからさまに過激なわけでもイビツさに美学を求めるわけでもなく、あえて熱を抑えながらひんやりとした感触で演奏と歌を聴かせる手腕は流石としか言いようがない。ひと癖もふた癖もある熟練者たちが音楽に深いメッセージ性を孕ませながらも、それをサラッと味わわせてくれるという贅沢さ。絶品だ。