タワーレコード新宿店の最上10階に居を構えるアナログ専門店〈TOWER VINYL SHINJUKU〉。同店がお客様におすすめしたい〈太鼓盤〉を毎月ご紹介しているのが、こちらの連載です。
今回は、昨年に続いて〈レコードの日〉を大特集! 2020年11月3日(火・祝)に開催される今年の〈レコードの日〉に、店頭に並ぶたくさんの限定盤、貴重な再発盤の数々。そのなかからTOWER VINYLと新宿店のスタッフが選んだおすすめ盤をご紹介します。〈レコードの日〉の買い物ガイドとして、ぜひご活用ください。
11月3日、TOWER VINYLはいつもより1時間早く10:00に開店。感染予防・対策をしっかりしたうえで、いざTOWER VINYLへ! *Mikiki編集部
伊藤慶太(TOWER VINYL)
故Nujabesの作品にて異彩を放ち、圧倒的な存在感を示したマルチ・プレイヤー、Uyama Hiroto氏のファースト・アルバムが12年越しとなる待望のLP化。浮遊感たっぷりの幻想的で流麗なビート上で、Golden Boy(Specifics)がスキルフルなラップでクールに魅せる“Vision Eyes”、Pase Rock(Five Deez)のソロ作に収録されていた名曲“Fly Love Song”をより叙情的な世界観で再構築したRemixからも滲み出るHip Hopへの愛。そして包容力に溢れる“Color of Jade”で幕を閉じる、この壮大であたたかな作品をレコードで聴ける至福のひと時が遂に訪れる。
矢藤一夫(TOWER VINYL)
藤井さんのシンガー&ダンサーの印象を色濃く決定付けた名曲。このCDシングルが出たのはもう20年前のこと。12インチも出たことがありましたが、もちろん今や中古盤でも入手困難。今回の嬉しい再発は、7インチなので、なんだかんだ言いながらまたコレクションに加えないと。
AORの祖と言われるニック・デカロが達郎さんをカバーするとは!と発売当初は驚きました。が、やはり彼の和三盆のような上質の甘さで調理されているので、楽曲もふわっとしたスウィートな仕上がり。冒頭の“Love Storm”から全然原曲の“Sprinkler”より優しい雨のムードで、Stormでもない(笑)。全体的にこの心地よさが続くので、お部屋でまったりじっくり聴くには最適な一枚です。祝・初アナログ化です!
塩谷邦夫(TOWER VINYL)
細野さん2011年発表の歌モノ名作、嬉しいアナログ盤の復刻です。発売当時〈あの『HOSONO HOUSE』以来のヴォーカル・アルバム!〉なんて皆盛り上がりましたが、御本人の歌声は飄々としたもの。スタンダードや渋すぎるカヴァーとオリジナル曲を織り交ぜたハリー・ワールドに何回聴いてもじわじわと引き込まれます。30cmのレコード盤を回しているからこそ聴こえる音、ハリー・ワールドにはあるんじゃないかなあと思い巡らせてみたり、ゆったりと回るレコードに見入ってみたり。
東洋一のサウンド・マシーン、CRAZY KEN BAND! 遂に7inch BOXの登場だ。剣さん自身による入魂の12枚、A面B面で24曲をチョイスときた。”葉山ツイスト”“長者町ブルース”“発光!深夜族”“ハンサムなプレイボーイ”などなど……これは見過ごすわけにはいかない。レコード屋でドーナツ盤を予約するドキドキや受け取りに行く道中のウキウキ。〈あの気分〉を甦らせてくれた剣さん、ありがとー謝謝!
小嶋千夏(TOWER VINYL)
都度都度リリースされていたJ・ディラに捧げる〈Dillalude〉シリーズ3作がまとめてアナログ化。〈Dillalude Suite(組曲)〉っていうタイトルもグッときます! おなじみのトリオとカルテットによるライブ感溢れる演奏はアナログ・レコードで再生すると〈そこに居る〉感がマシマシ。やっぱり聴くなら夜ですかね。同時収録のハービー・ハンコックとレディオヘッドのマッシュアップ“Maiden Voyage / Everything In Its Right Place”も今回初アナログ化です。これ、何度聴いてもニッコニコしちゃう。