初期ストロークスと比較されることも多いNYの4人組。昨年に発表したダニエレ・ルッピとの共演盤がきっかけとなり、今回のアルバムはデンジャー・マウスにプロデュースを依頼している。この決断に驚く方も多いかと思うが、持ち前のパンキッシュな演奏と鼠印の変型ファンクとの出会いは実にノーウェイヴ的で違和感ゼロ。一方で、もともとアート志向が強く、スノッブな雰囲気のあったバンドが、わかりやすいダンス要素やポップネスを程良く配合できたのも、このヒットメイカーと組んだからこそだろう。とにかく、本作が彼らの転機となることはまず間違いない。なかでもヴィンテージ楽器の鳴りを活かすために音数&言葉数を絞ったミディアム群は、今後4人の大きな武器になりそうだ。