一筋縄ではいかない(?)ブレンドンがスポットライトを独占するまでのヒストリー
本作収録の疾走チューン“7 Minutes In Heaven(Atavan Halen)”にコーラス参加し、キッズの間で名を広めたデビュー直前のブレンドン。もともと声質が似ているせいか、見事なほどパトリックの歌に溶け込んでいる。 *山口
PANIC! AT THE DISCO 『A Fever You Can’t Sweat Out』 Decaydance/Fueled By Ramen(2005)
フォール・アウト・ボーイ直系の青春ポップ・パンク/エモをベースとし、ゴシックな装いでマイ・ケミカル・ロマンスらの動きとも同調しながら、エレポップを大胆に注入することでダンス・エモ人気を焚き付けた初作。これがなければ後のエレクトロニコアは生まれなかった? *山口
VARIOUS ARTISTS 『The Nightmare Before Christmas Special Edition Soundtrack』 Walt Disney(2006)
人気ミュージカル映画の3D化に合わせて登場したこのデラックス版でP!ATD は“This Is Halloween”をリメイク。妖しい弦楽器&クワイアを従えて芝居がかった歌唱を披露するブレンドンの姿が、その後の変化を予兆しているようにも思えます。 *山西
PANIC! AT THE DISCO 『Pretty. Odd.』 Decaydance/Fueled By Ramen(2008)
ダンス・エモに別れを告げ、この2作目ではサイケに急接近。中期ビートルズのような音作りは、本作を最後に脱退するライアン(ギター)とジョン(ベース)のアイデアだったとか。マジカルなストリングスに煽られてブレンドンのオペラっぽい歌い方がここで花開く。 *山口
ブレンドンはオープニングの王道エモ曲で顔を出し、FOBのパトリックが歌うブリッジにさりげないハモリをプラス。本作でアルバム・デビューを飾った地元の弟分にとって、粋な祝儀となったはず。 *山口
FALL OUT BOY 『Folie A Deux』 Decaydance/Fueled By Ramen/Island(Island)
トラヴィス・マッコイやエルヴィス・コステロらに混ざってピアノ・バラード“What A Catch, Donnie”に参加したほか、“20 Dollar Nose Bleed”では跳ねたリズムを背にパトリックと軽快に掛け合うブレンドン。もはや準メンバーと呼べるほどのしっくり感だ。 *山口
FORGIVE DURDEN 『Razia’s Shadow: A Musical Live From Chicago』 Fueled By Ramen(2008)
ファンの『Some Nights』が出るだいぶ前から空虚な青春ファンタジーを描いていたラーメンの鬼才バンド。この3作目では映画「ムーラン・ルージュ」のように煌びやかな音世界を展開し、2曲でヴォーカルを取るブレンドンもいつになく大張り切り。 *山西
ラーメンが監修した学園ホラー映画のサントラ。メンバー2名の脱退で存続が危ぶまれていた当時のP!ATDは、初作の頃に回帰したような直球のポップ・パンク“New Perspective”を提供し、ひとまずファンを安心させることに成功。 *山西