スペンサー・スミスが抜け、とうとうブレンドン・ウーリーのソロ・ユニットに。しかし、〈ピンチをチャンスに変える男〉なるレコード会社の宣伝文句通り、ブレンドンの考えるパニック!アット・ザ・ディスコ像をとことん追求できる環境が整ったという意味で、これは喜ぶべき事態なのかもしれない。3年ぶりとなる本アルバムでは、ブレイクビーツを大胆に導入しながらオールドタイミーなジャズにも接近。フランク・シナトラへのオマージュ曲やスウィンギンな“Crazy=Genius”は、ショウビズの都ことラスヴェガスで育った彼の面目躍如!? チャーリーXCX風のオープナーなど前2作の延長線上にあるエレクトロ・チューンも捨て難いが、こうした新たな試みに拍手を贈りたい。