あなたも〈愛の次に必要なもの〉を考えてみませんか?

“What the World Needs Now Is Love”(邦題“世界は愛を求めている”)は、バート・バカラックが作曲、ハル・デヴィッドが作詞し、ジャッキー・デシャノンが歌った65年のヒットナンバー。凄惨な事件の後にラジオで繰り返しかけられ、多くのシンガーにカヴァーされた名曲だ。

それから50余年後の日本。平成最後の秋にゴスペラーズが我々に投げかけたのは『What The World Needs Now』、つまり〈いま世界が必要としているものは〉というメッセージだった。

ゴスペラーズ What The World Needs Now キューン(2018)

その言葉に対する彼らなりの回答は、1曲目“W2N2”ですぐに明らかになる。

〈世界には、ハーモニーが足りない。〉

凄惨な事件や戦争は50年前に比べて減り、もしかしたら世界はあの頃求めていた〈愛〉に満ち溢れているのかもしれない。けれども世界はおろか、平和と言われるここ日本でも、なぜだか手放しでは喜べないような暗い雰囲気が漂っている気がする。それってもしかして、個人個人は愛を持っていたとしても、ほかの誰かの愛を思いやる〈調和〉が足りていないのではないだろうか。ハーモニーの鉄人たちによるメッセージは、そんなことすら思い起こさせる、短いがゆえに力強い意味の込められたものだった(この言葉は、グループ初となる意見広告でも大きく取り上げられている)。

そんな開幕宣言からスタートする本作では、先行リリースされたシングル曲“ヒカリ”“In This Room”に引き続き、グラミー賞受賞プロデューサーでもあるブライアン・マイケル・コックスとパトリック・“J・キュー”・スミスを、5曲の新曲でプロデューサーに起用。ブライアンはプログラミングや編曲でも参加するなど、ゴスペラーズと密な関係を築いている。また“Sweetest Angel”では、TWICEやw-inds.、MISIAなどへの楽曲提供でも知られるMayu Wakisakaを作詞作曲に迎えるなど、楽曲はいずれもこれまで以上にアーバンで重厚な仕上がりに。そこに、よりアダルトになったゴスペラーズのハーモニーが層を成して乗り、それらの相乗効果でゴージャスなサウンドを形成している。

もちろん、安岡優が作詩で参加した“In This Room”“Right by you”“Goodbye”“for U”“Hiding Place”“ヒカリ”、酒井雄二が作詞作曲で参加した“Ashes”、村上てつやが作詞で参加した“DON'T LEAVE ME NOW”、作曲にも携わった“NOTHING”など、作詞作曲面でのメンバーとの〈調和〉も申し分ない。

記念すべき50作目のシングルのリード・トラックとなった“ヒカリ”を歌い終えた彼らは、 “epilogue”で再度〈What the world needs now is harmony〉という本作のテーマを残し、その幕を閉じる。それはまるで、いま世界のあるべき姿を提示したひとつの舞台を見たかのようだ。さあ、あなたもゴスペラーズと一緒に、〈愛の次に必要なもの〉を考えてみませんか?

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