チャレンジの繰り返しで磨いてきたグループとしての個性。イチからスタートした6人も、新しい6人も、6つの声がひとつになるまでをカラフルにパッケージした初アルバム!
グループのこれまでと現在
〈実力派〉と呼ぶにふさわしい、文字通り〈ピッチ・パーフェクト〉な歌を紡ぐ女子中高生ヴォーカル・グループ、Little Glee Monster。9月から3か月に渡り全国13か所を巡るワンマン・ツアーを無事に成功させた彼女たちが、勢いそのままにファースト・アルバム『Colorful Monster』を完成させた。これまでにリリースしてきた4枚のシングル収録曲に加え、新録曲やカヴァー曲なども収めた本作は、ライヴやリリースを重ねるごとにエネルギッシュになっていった歌声、いっそうの一体感を獲得していったハーモニーの魅力を余すことなくパッケージしている。まずは濃密でヴォリュームのある『Colorful Monster』に至るまでの話を訊いていこう。
「最初の頃は声を合わせるのが難しかった。意志の疎通ができていないので、それが歌にも影響していて。〈(それぞれの歌に)個性はあるけども、合わせることが苦手だよね〉って周りからも言われてました。いまは自然と合うんですよね。ひとりひとりのことをわかっているので、〈この子はこういう合わせ方がいい〉というのが自然とできるようになりました」(manaka)。
「やっぱり気持ちがひとつにならないと納得のいく歌を歌えないと思っています」(芹奈)。
「うん。デビューしたての頃はいまよりももっと余裕がなかったし、いろんなことが早いスピードで進んできたから、自分のことで必死だったんですけど、“人生は一度きり”あたりから、6人での歌を磨こうという気持ちが強くなった気がします」(manaka)。
「“人生は一度きり”のときはみんなで話し合ったのが大きいのかなって。レコーディングが始まる前に、思ったことをびっしり紙に書いて話し合って」(MAYU)。
「〈歌詞のストーリーはこう〉っていうのをみんなで共有しました」(かれん)。
「完成したのを聴いてみたら、これまでより感情が入ってるのがわかったんです」(MAYU)。
「それを毎回やるようになってから、アルバムのレコーディングに入っていきました」(芹奈)。
アルバムには、お互いのことを掴み切れていない状態から“人生は一度きり”で転機が訪れ、グループとしての結束もより高まっていった、そのプロセスと現在、つまりリトグリのすべてがしかと刻まれていると言っていいだろう。
「本当にファースト・アルバムにふさわしい作品になったと思います。『Colorful Monster』っていうくらい、いろんな色が詰まっていて」(MAYU)。
「イチからスタートした私たちもいるし、新しい私たちもいる」(manaka)。
新しい私たち
その〈新しい私たち〉は、“小さな恋が、終わった”や“Feel Me”といった新曲で確認できる。CharaのプロデュースによるスウィートなR&B“Feel Me”はグループにとっても新境地だろう。
「Charaさんはすごい優しくて。〈みんなのお母さんみたく接して〉みたいな感じでした(笑)。“Feel Me”は初めての曲調で、最初は歌い方もわからなかったんですけど、〈囁くように歌ったらいいんじゃない?〉っていうアドヴァイスをいただいて、すごくいい感じに仕上がったと思います」(アサヒ)。
「それまではソウルフルに歌うことが多かったので、囁きめで歌うのがすごく難しくて。息を多めに歌うのは新しいチャレンジだったので、勉強にもなりました」(芹奈)。
オリジナルの15曲に加え、通常盤にはカヴァーも5曲収録。“永遠に”は本家のゴスペラーズが直接プロデュースで関わっている。
「ディレクションにも携わっていただいて。ゴスペラーズさんは大先輩なので、最初はすごく緊張したんですけど、楽しかったな」(manaka)。
「うん。緊張をほぐしてくれて、リラックスしてレコーディングできました」(芹奈)。
「6人がどう歌ったらこの曲が良くなるかっていうのをすごい考えてくださってて。ゴスペラーズさんが私たちを思ってくれている気持ちを、歌に込められたと思います」(manaka)。
カヴァーを含めた20曲のうち、メンバーそれぞれのおススメ曲はどれかというと……。
「“SAY!!!”はいつもライヴで歌っていた曲で、ようやくCD化されました。ライヴとは違ったCDの良さも詰まっているので、ぜひ聴いてほしいです」(アサヒ)。
「私は“小さな恋が、終わった”です。途中でバックの音が消えて、声だけになるところがあるんですけど、私はそこで最初に入るパートなんです。自分の声だけでどう魅力的に聴かせられるかっていうのを考えて歌いました」(麻珠)。
「私は“書きかけの未来”。いしわたり(淳治)さんの歌詞がすごく良くて。学生が主人公の曲が多いんですけど、これは大人の方にも響いてくれる曲やなと思っていて。〈いつの日か今日の失敗も勲章になるよ〉というところがすごく好きです」(manaka)。
「“空は見ている”はアルバムの最後にくるんですけど、ここで私たちの原点に戻る感じがして、その流れがすごく好きです。ライヴではガオラー(ファンの総称)のみんなと一緒に歌って弾ける曲ですね」(芹奈)。
「高校野球のテーマ・ソングになっていた“ダイヤモンド”。2014年の夏くらいからいろんなイヴェントに出させてもらう機会が増えたので、その時期を思い出したりします。この曲を聴いて、夏がんばれたなっていつも思います」(MAYU)。
「私はカヴァーの“ファイト!”です。原曲の中島みゆきさんのそのままの雰囲気というよりは、リトグリのオリジナルの色を出せた曲だなと思っていて。歌詞を自分たちなりに解釈して、自分たちなりの想いを伝えようとしました。全部の曲に時間がかかったんですけど、この曲も苦戦しながら、正解を探しながら作った曲なので思い入れがあります」(かれん)。
最後に。ワンカット映像でリトグリの魅力を切り取ってみせたMV“好きだ。”に続き、“小さな恋が、終わった”の映像はさらに大変ことになっている模様。洞窟でのライヴ一発録りなんだとか(この原稿を書いている時点では残念ながら未見!)。ぜひともチェックを!