TOKUが語る20余年の活動と新たな未来

 2000年にデビュー。スモーキーな薫りを立ち上らせるヴォーカルとスウィンギーで抒情性豊かなフリューゲルホーンをフューズさせた独自の音楽スタイルを確立し、現在も音楽シーンをリードし続けるアーティストTOKUが自身初となるオールタイム・ベスト・アルバム『BESTOKU』を8月24日に発表する。

TOKU 『BESTOKU』 ソニー(2022)

1stアルバムの発表から20年を経て、自分のキャリアを振り返るとともに今後の活動に思いを馳せた時、リスナーの皆さんにも僕の気持ちをシェアしていただきたいという願いが湧いてきました。選曲で大切にしたのはコラボ作品とオリジナル曲。僕はこれまでにいろいろなジャンルのアーティストとの共演によって新たな音楽を生み出してきましたし、数々のオリジナル曲も書いてきました。2019年発表の『ORIGINAL SONGBOOK』というベスト盤に収めきれなかった曲や、ファンの皆さんから要望の多い作品もあったので、今回はそれらも含めて選曲しました」

 アルバムを聴いていると、ロン・カーターやZeebra、SUGIZO、ゴスペラーズらの豪華ゲスト陣や楽曲の多彩さに驚かされるが、それと同時に実感されるのが、それらをひとつにまとめ上げるTOKU自身の濃厚なジャズ・テイストだ。

 「確かに、僕は様々なジャンルのアーティストと共演していますし、所謂ポップスも演奏していますが、常に考えているのは自分のジャズ・マインドを反映させるということ。でもそれは、往年のジャズメンたちがずっとやってきたことでもあるんですよね。現在スタンダードと呼ばれている曲も、元を辿ればその大半は1900年代中盤の流行歌。ジャズはそんなふうにいろいろな音楽を吸収しながらその音楽性を築いてきました。こうして約20年間の活動を集約したアルバムを完成させましたが、今の僕にはまだまだやりたいことがたくさんあります。そのひとつが海外での活動。2020年発表の『TOKU in Paris』でフランスのアーティストたちとコラボし、海外公演も行いましたが、現在はコロナ禍のためにそうした活動も滞ってしまっています。今後はもっと自由になって、さらにいろいろな方と共演し、新たな作品をクリエイトしていきたいと思っています」

 音楽活動20余年を経てさらにその先の展望を語るTOKU。彼が今後生み出していく音楽を知るためにも『BESTOKU』は必聴のアルバムとなりそうだ。

 


LIVE INFORMATION
TOKU Best Album “BESTOKU” Release Live
2022年9月23日(金)ブルーノート東京
■1st
開場/開演:16:00/17:00
■2nd
開場/開演:19:00/20:00
出演:TOKU(ヴォーカル/フリューゲルホルン)/小沼ようすけ(ギター/ヴォーカル)/カイ・ペティート(ヴォーカル/ベース・ギター)/デヴィッド・ブライアント(ピアノ)/楠井五月(ベース)/沼澤尚(ドラムス)
https://www.tokujazz.com/