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ヴァリューをアップし続けるKOWICHIの活動記録

 それ以前のソロ作品や客演作については『SheCRET』リリース時の掲載記事をアーカイヴなどでご覧いただくとして……ここに紹介した以外にも本人のリリースは多数。FLY BOYでの初作にあたる配信EP『REP MY CITY』(2016年)のシリーズもコンスタントに届けられていたし、今年もZOT on the WAVEとの連名で『KOWICHI on the WAVE』を発表していた。若手時代は神奈川の先達に抜擢されることの多かった客演ワークスも、後進との絡みを含めてさらなる広がりを見せ、己の価値を上げていくはずだ。 *出嶌孝次

KOWICHIの客演作品を一部紹介。

 

KOWICHI SheCRET WESTAHOLIC/Pヴァイン(2015)

前年の『THE DINER』が生んだ“BOY FRIEND #2”の広がりを受け、〈女性〉にまつわる楽曲で固めた3作目で、ZOT on the WAVEを核にした制作体制もここから。明け透けすぎて楽しいギャル・チューンが目立ちつつ、最後に“Mother”を置く作りも巧い。Lil'Yukichi制作のリリカルな“10年後”にしみじみ。

 

KOWICHI The Plain FLY BOY(2016)

FLY BOYでは初のフル・アルバムとなった通算4作目。前作での“No, No, No”に続いてT-Pablowを迎えた人気曲“Me Too”をはじめ、CIMBAとStaxx Tをフィーチャーした“ファンデーション”に加え、“ASOBIKATA”ではERASERを初抜擢している。EPが初出となる“少しはマシ”がグッとくる系の聴きモノ。

 

Young Hastle Forever Living Young FLY BOY(2017)

KOWICHI、DJ TY-KOHと共にFLY BOYを立ち上げた個性派ラッパーの、レーベル設立後では初となるフル・アルバム。主にZOT on the WAVEとMOITOがプロダクションを分け合い、“酔ってる”“嘘つかない”“朝寝る”などユニークな日常ソングを披露している。“普通じゃない”にKOWICHIとTY-KOHが客演。

 

KOWICHI Splash FLY BOY(2017)

“5枚目”で幕を開ける5枚目。FLY BOY仲間はもちろん、DS455のKayzabroやT-Pablow、ERASERまで幅広い世代の身近な面々を招き、肩の力を抜いた風情で日常的なトピックを飄々と語っていく様子はいつも通り。愛車自慢のようでいて真逆の聴き心地を残す“BMW”のような話芸も光る傑作だ。

 

DJ PMX THE ORIGINAL III BAY BLUES/HOOD SOUND/ビクター(2017)

DS455でもソロでもたびたびKOWICHIを抜擢してきた横浜の大御所。その最新作ではRamの“Let's Move On”も含めて3曲でKOWICHIが起用されており、なかでもフックを担った“MAKE MONEY”はKOWICHIの曲に通じるノリがおもしろい。MC TYSON×CIMBAとマイクを交わす“I LUV IT”もキャッチーだ。

 

Young Hastle LOVE HASTLE FLY BOY(2018)

ZOT on the WAVEがほぼ全曲をプロデュースした現時点での最新作は、恋愛から愛着までさまざまな〈愛〉を詰め込んだコンセプト作品。どこかほのぼのした楽曲も目立つなか、ZOTがフックを歌うDJ RYUUKI制作の“No Side Bitch”にはKOWICHIが客演し、プレイボーイなりのピュアな愛について語っている。