セラミック・ドッグの新作でのササクレ立った怒りに触れ、まだまだ枯れてないよ!と挙げた両手を下ろす間もなく、ソロ名義での作品が到着。〈抵抗の歌1942-2018〉と名付けられた本作は圧倒的な熱量のフリージャズで幕を開け、盟友トム・ウェイツを迎えた“ベラ・チャオ”はじめ第二次大戦時からの反ファシズムの歌と自身のオリジナルを織り交ぜて展開する。トムの他、ミシェル・ンデゲオチェロ、スティーヴ・アールなど参加、彼の真骨頂であるレフト・フィールドなジャズ~アメリカーナでもって聴かせる。広い音楽性の幅を束ねるのは文字通りアンチ・トランプ、やはり強い怒り、なのだろう。

 


〈反トランプ〉をテーマにした異才ギタリストの新作は、自作曲が半分、第二次世界大戦時のイタリアで生まれた反ファシストや公民権運動などのプロテスト・ソングのカヴァーが半分といった構成。ゲストにトム・ウェイツ、ミシェル・ンデゲオチェロ、スティーヴ・アールらを招き、曲ごとにジャズ、カントリー、ソウル、ラテン、パンクを呑み込んだ、彼らしい捻くれた先鋭的な音で楽しませてくれる。