たびたび延期を繰り返した結果、10年ぶりとなった2枚目のソロ作。その間のシャフィークはクロンドンやブルーとのタッグ作を出し、H.E.R.やクリス・デイヴの作品にも関わってきたが、本作はそれらも包括するサー・ラーの血脈を繋いだクロスオーヴァーなソウル絵巻だ。共同エグゼクティヴ・プロデュースを担うアンダーソン・パーク歌唱の“It's Better For You”は2014年のシングルだから録音時期も多様なはずだが、パークとアイ・セッド、ジメッタ・ローズ、コウルトレインを中核に、エリカ・バドゥ&エンダンビ、ビラル、サンダーキャット、フライング・ロータス、ハイエイタス・カイヨーテ、グラスパーらが出入りする心地良い混沌が全体を一様に響かせる。CDのみのボートラ“Jungle Madness”も不思議な聴きもの。