音楽ライターの南波一海がタワーレコード内に設立したアイドル専門レーベル、PENGUIN DISCの看板4人娘=RYUTistが、ニュー・シングル“センシティブサイン”をリリースした。表題曲は21歳のシンガー・ソングライター、シンリズムが作詞・作編曲を担当。さらに、カップリングの“素敵にあこがれて”はカメラ=万年筆/Orangeadeの佐藤望が作詞・作編曲、“バ・バ・バカンス!”はmicrostarとWack Wack Rhythm Bandが共作と、ポップ・ファン垂涎の3曲を収めたCDになっている。

RYUTist センシティブサイン PENGUIN DISC(2019)

Mikikiでは同シングルのリリースを記念し、プロ・インタヴュアーの吉田豪によるメンバー個別インタヴューを掲載中。ラストを飾るのは、むぅたんこと五十嵐夢羽。歌とダンスが大好きな幼少時代から、卒業したメンバーや大好きなアイドル、そしてRYUTistへの想いを明かしてくれた。 *Mikiki編集部

★“センシティブサイン”リリース記念、メンバー個別インタヴュー:記事一覧

(左から)RYUTistの五十嵐夢羽、宇野友恵、インタヴュアーの吉田豪、横山実郁、佐藤乃々子

 


 

審査員の方に〈そういうのはやめたほうがいいよ〉って言われて

――むぅたんがひとりでしゃべれるのか、皆さん心配してましたよ。

「フフフフ、だい……」

――……大丈夫ですかね?

「うーん……」

――不安になってきました(笑)。

「大丈夫です、よろしくお願いします!」

――では最初に、ご自分の性格をどういうふうに認識してますか?

「私は……うーん……優柔不断です。選ぶのが苦手で、いつもどうしようって迷ってることがあるなって思います」

――どんなお子さんでした?

「えっ……」

――まあ、ボクも小学生のときから会ってはいるんですけど、その前は?

「幼稚園の頃はずっと歌ったり踊ったりしてました。ビデオカメラに残ってる映像を観ると、ずっとマイクを持って歌ってたり」

――歌うのは昔から好きで。どんなご家族なんですか?

「お父さんとお母さんに妹がいるんですけど、すごい支えてもらってます。優しいです。妹とは3つしか離れてなくて話が共通するところもいっぱいあるので、ワイワイ楽しく。妹とはお風呂とかで一緒に歌ったりもしてます。熱唱してます」

――もともと歌うのが好きだったから、RYUTistに入ることになるんですね。

「そうですね。RYUTistは、毎年ゴールデンウィークにある〈信濃川感謝祭 やすらぎ堤川まつり〉さんっていうイヴェントにたまたま家族で遊びに行ったときにお父さんがオーディションのフライヤーを見つけて。それを持って帰ってよく読んで、歌とかダンスが好きなので受けてみようかなって思ったんです。オーディションの募集が10歳からで、私はそのときちょうど10歳だったので最年少で、周りはけっこう大人っぽい女性の方もいっぱいいらっしゃって、私だけ小っちゃいなって思ってました」

RYUTistのニュー・シングル“センシティブサイン”
 

――そりゃそうですね(笑)。手応えはあったんですか?

「いや、全然なかったです。オーディションの審査員の方にも〈それはやめたほうがいいよ〉みたいなことを言われて」

――え?

「チアのポンポンを持って、〈レッツゴー! イェーイ!〉ってパフォーマンスをして出て行ったんですけど、〈そういうのやめたほうがいいよ〉って。これは全然ダメだな、やっちゃったなって思いました」

――そういうのは余計だ、と(笑)。

「フフフフ、〈それはいらないね〉って言われました」

――ところがなぜか引っかかった。

「受かってましたね。ビックリしました」

――それでRYUTistの最初のメンバーが揃って。

「はい、5人揃いました。オーディションで初めてみんなに会ったんですけど、のんの(佐藤乃々子)とかゆりり(木村優里、結成翌年の2012年に卒業)とは全然話してなかったんですよ。わっかー(大石若奈、2016年に卒業)とはちょっと話してて。なので、集まったときはみんな年上のお姉さんだなって感じで縮こまってたんですけど、怖い空気とかはまったくなくて温かい雰囲気でしたね」

――最初から平和な感じで。

「平和です」

 

憧れのアイドルさん楽しい!

――このグループでどんな活動をするって聞いてました?

「古町※を盛り上げるためにアイドル・グループを作るっていうのが(オーディションの)フライヤーにも書いてあったので、古町を中心に活動するっていうのは知ってました」

※新潟市中央区の新潟島中央部に位置するエリア

――ボクが初めて会ったのが結成の年なんですよね。2011年5月がオーディション、7月がファースト・ライヴで、その年の12月には新潟The PLANETで〈杉作J太郎&吉田豪の特濃トークライブ in 新潟 Vol.1〉が開催されて。

「すぐですね、ほぼ最初から。ありがとうございます」

――共演する前の時点でおかしなカヴァーをやってるグループがいる、みたいな認識があったんで、もう共演できるんだと思ったのを覚えてますよ。

「懐かしい……。ビックリするカヴァー曲いっぱいありました※」

※RYUTistがカヴァーした楽曲一覧はこちら

――最近はオリジナル中心ですからね。だから単純に感慨深いんですよ。当時小学生だった女の子がもう高校を卒業?みたいなことも含めて。

「早いですよね」

――しみじみします。

「お父さんみたい(笑)」

――それぐらいの心境ですよ。活動を始めてみて〈あれ?〉みたいに思うことはありました?

「いや、特になかったです。〈憧れのアイドルさん楽しい!〉って気持ちにまっしぐらで、バーッとやってたんだと思います。〈あれ?〉って思うこともなく」

――よくわからないままレッスンやライヴを続けて。

「〈レッスンだ、イェーイ!〉って」

――〈知らない大人が東京から来た、イェーイ!〉みたいな(笑)。

「何事も楽しんでやってました。小学生だったので、なおさら」

――小学生が吉田豪と杉作J太郎と絡むのってたいへんだと思うんですよ、何を言ってるのかわかんないような大人と。

「すごいですよね。お客さんが笑ってても、〈え、なんでみなさん笑ってるんだろう?〉って。わからないことがいっぱいありました。でも、空気がすごい温かくておもしろくて、釣られて笑ってました(笑)」

――ボクらはすごい気を遣ってましたね、どこまで何を話していいんだろうって。〈RYUTistのメンバーが会場に来たぞ、下ネタ禁止!〉とか言ってましたからね。

「聞いてました(笑)」

――思えばゆりりの卒業も2012年11月だから、相当早い段階だったんですよね。

「そうですね、1年半ぐらいですね」

――当時、なんとなく聞いてはいたんですか?

「聞いてはいなかったです」

――話し合いとかもべつになく。

「なかったです。〈卒業します〉ってことで聞きました」

――その直後だと思うんですね。まだ卒業を発表する前、ボクらとイヴェントで共演して、杉作さんが食べもの占いをして当てちゃった事件。

「ドンピシャに当たってたので、知ってるのかなと思ったんですけど」

――ボクらは何も知らず、メンバーはうろたえてたことでお馴染みの。ゆりりが好きな食べ物を〈パイナップル〉って答えたとき、杉作さんが〈あなたは羽ばたこうとしてますね〉って答えたんですよね。

「すごいですよね。焦りました、どうしようと思って」

――ゆりりが何か言い出しちゃうんじゃないか、みたいな。もちろん知ってるわけもなく(笑)。

「すごいですよね、当たるんですね」

――ボクも当たるとは全然思ってなかったですからね。

「ファンのみなさんもビックリしてました」

――最初に辞めるって聞いたときどう思いました?

「早いなと思ったのと、何かあったのかなって」

――ただ、細かいことを聞くわけにもいかず?

「そうですね」

――向こうは大人だったし、こっちはまだ子供だしで。

「そう、子供だったので。〈え、行っちゃうの?〉みたいな感じでした」

――その後、これから4人で頑張ろうみたいな団結力が増したりはしました?

「卒業ライヴの次の週が〈全曲新曲ライヴ〉っていうけっこう大きいイヴェントだったので、それに向けて気合い入れ直して頑張ろうっていうふうにはなってましたね」

――まだ5人だった時期だと思いますけど、ボクに「情熱大陸」のカメラが密着してて、新潟にまでカメラが来たこともありましたね。

「ありました! 〈うわ、すごい!〉って」

――みなさんのテンションが上がって、映ると思ったら全部カットで(笑)。

「フフフフ、〈あれ?〉と思いました。J太郎さんの映画もありましたよね」

――まだ正式公開はされてないですけど、未完成なまま一部で公開はしていて。こっちはちゃんと出てますよ。ボクが新潟The PLANETで話している映像も使われてました。

「え、私たちも映ってたんですか?」

――出てましたけど、映画が何ヴァージョンもあってどんどん進化していってるし、前は使われていた場面がカットになったりもしてるので、どれが使われてるかよくわからないんですよ。

「観てみたいです、どこかで公開されたら」

――最初は原作どおりに撮ってたのが、途中で突然ドキュメンタリーみたいになっていくんですけど、そのきっかけがボクのセリフで。The PLANETの控室で何の台本もないまま撮影してて、〈あれ、これ原作どおりに撮ってるんじゃなかったんですか?〉ってボクが言ったのが契機になって、そこから映画の方向が変わるっていう。

「キーになってるんですね。観たいです」

――ちなみに演技には興味あったりするんですか?

「観るのは好きですけど、自分がやることは考えたことないですね」

――それより歌が好き。

「歌は好きです」

――演技は難しいですよ。

「難しいですよね、絶対。泣いてる演技とかされてる方はすごいなと思います」

――ボクも映画に10本以上出てるんですけど。

「俳優さんですね」

――俳優さんではないです!

 

手応えを感じたのは、『日本海夕日ライン』のとき

――活動してて迷った時期はなかったですか?

「迷った時期?」

――このままでいいのかなとか、辞めようかなとか思ったり。

「思ったことはないですけど、わっかーが卒業(2016年)するって聞いたときは3人になるのかな、どうなんだろうなって思いました。でも、すぐみくちゃん(横山実郁)が入るっていうのを聞いたので」

――わっかー卒業はまったく予想してなかった。

「ビックリしました」

――わっかーとは子供組で仲良かったわけですよね。

「そうです、年少ふたりで」

――なんとなく聞いてはいたんですか? ちょっと迷ってるとか。

「いや、全然知らなかったんですよ!」

――知らなかった!

「相談もなかったので、本人から直接〈卒業します〉って聞いたのが初めてでした。CMとかもあったので、このタイミングかと思って衝撃でした」

――理由はなんだったんですか?

「別の夢が出来て、それを叶えるために勉強しなきゃいけないから活動がおろそかになるのが嫌なのでって話でした」

――その気持ちはわからないでもない?

「そうですね」

――アイドルを続けるのってなかなかたいへんだと思うんですよ。ましてRYUTistぐらいの練習量とライヴの数だとプライベートは完全になくなり、勉強もおろそかになり。

「勉強はおろそかになっちゃったな……」

――まあ、なりますよね。

「もともと頭も良くないのに(笑)」

――アイドル一本で生きていけるかどうかって迷いがどこかで出ますよね、そこで腹を括れるのかどうか。そういうところは大丈夫だったんですか?

「おもしろいし、いろんなことができるので、私は思ったことないですね」

――活動に手応えがあれば続けていけると思っていて、そこに不安感があると、このままで大丈夫なのかっていう迷いが出てくるという。プライベートがなさすぎるから、ふつうのことをしてみたいってなったりとか、そういう意味では不安を感じる瞬間はなかったんですね。

でも、わっかーの卒業によって流れが変わった部分はあると思うんですよ。活動に手応えがないとメンバーがいつ辞めるのかわからないってことで、少しずつ階段を昇っていってる感を出していこうとして、タワーレコードからリリースできるようになったり、東京でのライヴも増えてきたりとか。RYUTistは音源リリースをしながら順調に評価を高めてきたグループですけど、どれくらいから手応えがありました?

「やっぱり『日本海夕日ライン』(2016年)ぐらいですかね。The Pen Friend Clubさんとか、作詞や作曲してくださってるアーティストさんのファンの方がRYUTistを知ってくださることになったのもこのアルバムで」

――そんな豪華アーティストも集めて新潟で開催された〈日本海夕日ラインフェスティバル〉にはボクも司会で呼ばれて。so nice×村松邦男とか、あんな大ヴェテランの人たちと一緒にライヴをやるアイドルってなかなかいないから、いいものを観せていただきました。

「オールスターでしたね、緊張しました。みなさんのライヴを観られてよかったです」

――特殊なグループだと思いますよ。

「RYUTistですか?」

――そうです。

「特殊……」

 

〈Mステ〉さんに出るのは厳しいと思います

――もちろん、いい意味で。他のアイドルとは全然違うじゃないですか。たとえば、前に突然〈「ラストアイドル」※見てます!〉って報告してくれたことがありましたよね。

※吉田豪は審査委員として出演

「Tシャツ、ビックリしました。リアルタイムで番組を観てたら、RYUTistってロゴが豪さんのシャツの中からのぞいてて。もしかしてと思って、もう一回映ったときによく観たら本当にRYUTistのTシャツだったので、すぐ写真を撮ってみんなに送りました」

――ボク、意外とRYUTistのTシャツでTVに出てるんですよ。

「けっこう周りからもそうお聞きするんですよ。ありがとうございます」

――「TVタックル」でビートたけしさんに人違いで脅されたときもRYUTistのTシャツを着てたっていう(笑)。

「フフフフ、RYUTistが胸についてるときに(笑)」

――服だけが中和してくれた感じで(笑)。

「ありがとうございます」

――「ラストアイドル」に関しては、〈私も蒲原(令奈)さん好きです〉って言ってましたね。

「好きだったんですよ。でも、豪さんがすごい言われてたじゃないですか」

――アイドル的な完成度の高い人(長月翠)と野生の生き物みたいな人(蒲原令奈)のバトルで、ボクが野生の生き物を選んだ結果、炎上したんですよね。結果的にそれが番組の話題にもなって。

「話題になりましたよね。私は蒲原さんが絶対いいなと思ってました」

――そこが届いたのはありがたいです。ボクはああいう荒削りな野性味のある人が好きなんですよ。

「ハハハハ、野性味ありますね(笑)」

――TV慣れしてない人っていうか、ふと見ると口が半開きになってる感じとか、脚もちゃんと閉じてない感じとか、猫背だったりすると、〈いい!〉みたいになりやすくて。

「じゃあドンピシャにハマッた感じですか」

――すべてが顔に出ちゃう感じとかもよくて。ああいう子で、なおかつなんらかの技術もあったりすると最高ですね。

「すごく歌がお上手でした。でも、自分から辞めちゃったんですよね」

――詳細はボクもわかってないんですけど、いま沖縄でソロで活動してるみたいですね。

「じゃあ、もしかしたらまた観られるかもしれない」

――そうなんですよ。ボクも共演できないかと動いてるんですけど。

「おもしろそうですね」

――意外とTVは好きなんですね。

「はい、けっこう観ます。最近はあんまり観ないんですけど、音楽番組とかは観てますね」

――RYUTistで出たいなとかは?

「あぁ……」

――出てもまずしゃべれない?

「フフフフ、〈Mステ〉さんとかは生放送なので、けっこう厳しいなと思います。生放送で歌うって、しかも〈Mステ〉さんでと考えると震えますね」

――生は配信で慣れてるじゃないですか。

「規模が違いますから!」

――「八千代コースター」※とかはどうなんですか?

※新潟総合テレビの情報バラエティ番組

「一緒に出演しましたよね」

――出ましたよ!

「『八千代コースター』さんもおもしろくて観てます」

――ああいう活動も楽しいわけですか?

「楽しいですね。ワイプに映ったりするのがおもしろくて」

――〈あ、私が映ってる!〉って。

「ワイプが好きなんですよ。TV観ててもワイプを観るのが好きで。それこそ〈Mステ〉さんだったら、この人は口ずさんでるから曲を知ってるんだなとか」

――あれ、出る側としてはけっこうなプレッシャーなんですよ、ワイプで神妙な顔しなきゃいけないとかあるので。

「ああ、深刻なときとか」

――「ラストアイドル」とかニヤニヤしてると怒られそうだから、とりあえず顔は作らなきゃいけない、みたいな。それがホント面倒くさくて。他の番組でも、興味なさげな顔とかしてるとバレるじゃないですか。だから、ちょっと頷いたりしなきゃいけなくて、すごい面倒なんですよ。

「そうだったんですか(笑)」

――「ラストアイドル」とか、ああいう音楽関係のバトルの審査員になると、リズムにノッてる、ノッてないとかでけっこうわかっちゃうんですよ、ボク。

「ジャッジのときまでわかっちゃいけないですもんね」

――そうなんですよ。だからバレないようにしなきゃいけないのに、どうしてもノッちゃうんです。そして、興味ない曲をやられたら微動だにしないっていう。

「審査員のみなさんもたいへんなんですね。本気で迷ってるのは迷ってるんですか?」

――〈こっちを選んだら叩かれるだろうな、でもこっちにしたいなー〉ってのはすごいあるんですよ。

「あれ、ホントに自分にジャッジが託されるんですか?」

――完全なガチなんですよ。番組側からしたらこっちを選んでほしいっていうのがあるかもしれないけれど、そこに仕込みはまったくなくて。ただ、番組が望むほうを選びそうな人とか、波乱を起こしそうな人を審査員として選んでいるとは思っていて。なので、来てほしくないときに来ちゃうんですよね。

「自分との闘いですね。『ラストアイドル』はすごい番組だなと思って観てました」

――それで番組側が完全に味を占めましたからね、ボクが少数派を選んだときに限ってほかの審査員の〈考えられない!〉みたいなコメントまで流して、わかりやすい煽り方をされて。

「そうですよね、完全におひとりでしたもんね」

――ハメられた! っていう。「ラストアイドル」に挑戦したいとかは思わなかったですか?

「自分には向いてないなと思いましたね。違うかなって」

 

リーダーが私じゃなくて良かった

――ほかのアイドルを見て、どういうふうに思うんですか?

「エビ中さん(私立恵比寿中学)が好きで、観て勉強してるところもあるんですけど、基本はいちファンとして。安本彩花ちゃんが好きなんですけど、〈あやちゃーん!〉って言って観てます」

――安本さんいいですよね。

「大好きです!」

――いい子ですよ。

「いい子ですか……あぁ……ホント、メンバーにも気持ち悪いって言われるくらい本気で好きで」

――安本さんとお父さんの関係が好きだったんですけど、〈最近ちょっと父と距離を置こうと思って〉とか言われて、大人になってきたんだなって。

「フフフフ、20歳を過ぎましたもんね。お父さんがマネージャーさんみたいな存在で」

――お父さんのプロデュースによって動いてきた人が。

「お父さんと距離を置いちゃうなんて……大人になりましたね」

――ちょっとずつみんな大人になってきて、ただ仕事で絡んでも皆さん平和でいいですよ。

「わかります。平和な感じが好きですね」

――ちなみにRYUTistの平和な空気はどうして保たれてるんだと思いますか?

「みんなが優しい。意地悪する子とかいないからっていうのもありますし、リーダーがのほほんとしてるので、それで平和なのかなって思います」

――アイドル・グループはリーダーの色が出るっていうのがボクの持論であるんですけど、むぅたんがリーダーになるかもっていう話があったのは本当なんですか?

「私もそれ知らなくて、本で読んだんですけど。私じゃなくて良かったなって思いますね。最年少だったので」

――ありえないですよね、最年長から最年少にリーダーが替わりますって(笑)。

「絶対に違うと思って。私だったら絶対ダメだったなって思います」

――しっかりしてると思われてたんですかね?

「わりとしっかりしてるって言われることは多いんですけど、そんなことはないと思いますね。リーダーなんて私には背負えないです」

――RYUTistって運営には悪そうな空気のある人がいて、配信番組でもその人が悪そうな口調で話してたりするのに、ずっと平和な空気のままじゃないですか。

「平和ですね」

――最初に絡んだときから、ずっとこの平和な空気のままで。みなさんそれなりに年齢も重ねてきてるのに、これはなぜなんだろうって今回も皆さんに聞いてるんですけど。

「悪い子がいないからです」

――新潟で杉作さんと定期的にイヴェントやってたとき、基本いつもライヴ・ゲストとしてRYUTistと一緒だったのが、1回別のグループになって、すごいやりづらかったんですよ。ボクと杉作さんもすごいモヤモヤして、そのイヴェントが終わった後でRYUTistが挨拶に来てくれて、控室で会話したときに〈これだよ! この素朴な反応が欲しかったんだよ!〉ってなったんですよね。

「うれしいです。最初の頃はずっと緊張してて、でもトーク・ライヴでちょっとは話すことに慣れたのかなとは思います」

――全然問題ないと思いますよ、ガンガンしゃべることは求めてないんで。ほどよい反応してくれればそれでよしっていう。

「ほどよい反応してましたか?」

――してました、大丈夫です! 最初は怖かったんですか?

「豪さんとJさんですか? 怖かったっていうか、すごい大人の方がいらっしゃるなって」

――年齢差はとんでもないですからね。なかなか50過ぎの男性と絡むこともないだろうし。

「お話して怖いとは全然思わなかったです。おもしろいなと思ってずっと聞いてました」

 

RYUTistの武器……ありますかね?

――最近になってハコムス(ハコイリ♡ムスメ)と絡んだりしてるじゃないですか。ああいう正統派アイドル・グループと絡むことについては、どんな思いがありますか?

「ハコムスさんはお友達みたいな感じで仲良くなれて、アイドルさんのお友達が出来た感じでうれしかったです」

――そういうことっていままで全然なかったんですか?

「フフフフ、なかったですね。共演させていただいても、多くても2回とか3回ぐらいで、レーベル・メイトで何回もライヴするっていうのがなかったから」

――イヴェントもやったり音源も出したりっていう初めてのパターンで。

「それで仲良くなれたかなって思います」

RYUTistとハコイリ♡ムスメのコラボ=柳♡箱の2018年のシングル“ともだち”
 

――単純に、あのレベルの全員かわいいグループと絡んで劣等感とか感じたりしないかなって。ボクが同じ立場だったら〈無理です、並べないです!〉みたいになると思うんですよ。

「並べないって思いました。だってみなさんホントに……」

――顔面偏差値が高すぎるじゃないですか。

「高いですよね、顔も小っちゃいし。すごいキラキラしてるなって思いました」

――これが本物のアイドルだっていう感じで。

「本物でした。私たちは田舎みたいな、荷物も多めでモサいなと思って。ハコムスさんはみんな小っちゃいバッグで来てて、ホントのアイドルさんだな、キラキラしてるなって思いました」

――アイドル好きとしては、それはそれで高まる部分もあり。

「はい。友達が出来てうれしかったです」

――そういうのを見てRYUTistはどういう土俵で闘おうって思うんですか? 私たちの武器はなんだろうとか。

「武器……ありますかね?」

――いっぱいありますよ!

「楽曲……でもハコムスさんも楽曲いいですもんね。武器ありますかね?」

――いっぱいあると思いますよ。練習量に裏打ちされたクオリティーは間違いなくあるし。

「ダンスとか歌とか?」

――ダンス、歌、そこにクオリティーの高い曲もあり。それはふつうに勝負できるレベルだと思いますけど、自分たちでは武器とまでは思えない感じなんですかね?

「楽曲がいいのはホントに武器だと思います。だけどハコムスさんも楽曲はいいし、かわいいし、歌もダンスも上手だし。そうなると武器ってどこだろうって……」

――思っちゃいましたか。

「思っちゃいました(笑)。ゆるキャラとかですかね?」

――え! そこで勝負?

「地元? 新潟とか」

――RYUTistのゆるキャラへのこだわりも正直、謎ですからね(笑)。

「ずっと一緒にいますけどね」

――なぜそこまで頑なに、ゆるキャラのPRをするのか。

「かわいくて安心するんですよね」

――もっとビジネスとしてガッチリとコラボとかしてるならわかるんですけど。

「そんなにしてないっていう(笑)」

――それでも強制的に紹介したい。

「フフフフ、そうなんです。だからドーンとやってお客さんが盛り上がってくれるのが気持ちよくて。それで助かってる部分もありますね」

――盛り上がってるっていうか、みんな〈ああ、こういうものだから〉でやってる感じはありますよね。数少ないMCの時間をなんでゆるキャラ紹介で埋めてるんだろうっていう。

「でも、話すよりはゆるキャラを紹介してたほうが安心はしますね」

――トークが苦手なんですか?

「苦手です」

――ふつうに話してればいいんだと思いますよ。

「考えないで話しちゃうことがたまにあるので、終わりが見えなくなっちゃうんですよね。思ったことをポーンと発しちゃうので、いまの言ってよかったかなって思うことはけっこうあります。みんながいるから助かってるところはありますね」

――フォローを入れてくれる人がいれば大丈夫だと思いますよ。

「ひとりだとたぶん〈ブレーキ、ブレーキ!〉ってしちゃうから」

 

RYUTistに骨を埋める覚悟です

――活動では何が一番楽しいですか?

「ライヴもそうですけど、ファンのみなさんと特典会でお話しするのは楽しいです。いろんな感想を聞かせてくださったり、細かいことに気づいてくださる方がいらっしゃって、楽しいなって思いながらお話ししてます」

――基本、しゃべりたい人ではあるわけですね。

「人と話したいっていうのはあるんですけど。でも、自分からは……話せないかもしれないです」

――これまでの活動で壁にぶつかったみたいなことはありました?

「壁は……いまもなんですけどダンスが苦手で、ダンスはいつも苦戦してます。足を引っ張っちゃってるかなって思います」

――そんなにダメな印象はないですよ。

「そうですか、自分ではけっこうダメだなって思います」

――進路で迷う瞬間はありました?

「迷い……ました。大学に行きたかったんですけど学力がなかったので(笑)、行けなかったです」

――RYUTistに入ってから学力がなくなっちゃったんですか?

「小学校のテストはけっこう100点でした。でも、中学校ぐらいから難しくなってきて、勉強もしなくなって(笑)。高校もそのまま学力が低いところに行っちゃったので、学力なくなりました」

――なるほど(笑)。大学は行ってみたかった?

「ずっと行きたいなと思ってて。でも、よく考えたら行くための勉強してないなって思ってあきらめました」

――ボクも大学には行ってませんから。

「一緒ですね(笑)」

――専門学校は行きましたけど。

「私も専門学校に行きます。音楽の専門学校に入学することになりました」

――つまり学校でもレッスンを受けるような状況になるんですか。

「そうですね、レッスンを4月から始めて」

――それはRYUTistに骨を埋める覚悟の選択なんですか?

「フフフフ、もちろんです。歌をもっと勉強したいなって思って」

――相当勉強してると思いますけど、まだまだ?

「そうですね、音符が読めないので」

――ともちぃだけが読めるんですか?

「みくちゃんも読めるんですかね。私は9年間ピアノやってたんですけど楽譜が読めなくて。だから音楽の専門学校に行ってそういうのを覚えたり、RYUTistだとほかに3人しかいないですけど、クラスの子の歌を聴いて勉強できたらいいなって思います」

――すごい向上心じゃないですか!

「フフフフ、頑張ります(笑)」

 

ワイプの端っこでリアクションする人になりたい

――この先の目標は何かありますか?

「目標は……もっとたくさんの方に知っていただかなきゃなって思います。まだまだ新潟の方でも知らないと思うので。Negiccoさんみたいにすぐ〈あ!〉ってわかってもらえるようなグループになりたいです」

――それには何が必要なんですかね?

「何が必要なんだろう……なんですかね?」

――いい流れにはなってるはずなんですよね。順調に上がってきている手応えは感じてます?

「前よりは。いろんなところにも取り上げていただいたりしてるので。シングルを出すのが発表されたときもいっぱいいろんなところからバーンって情報が出てたので、注目してくださってるのかなって思います」

――わっかーが辞めたときに、アイドルをやってる以上は地元で地道にやって一部の好き者が評価しているだけでは活動を続けるのは難しいんじゃないか、もうちょっと階段を上がっていっているような実感が得られないと……って話をしていて。そういう意味ではPENGUIN DISCが出来て、階段を上がれてる感がちゃんと出るようになってると思うんですよ。

「はい、このまま階段を上がって……」

――そうなればいいんだと思います。何かしたい仕事とかありますか?

「したい仕事……あんまり考えたことないかもしれない……なんですかね?」

――あの番組に出たいとか、もっとゆるキャラと絡みたいとか。

「TVにはいっぱい出てみたいです。観るのが好きなので出てみたいなって」

――それは、どういうポジションで?

「え、観る人?」

――観る人(笑)。ワイプでリアクションする人?

「端っこで大丈夫です」

――スタジオで拍手したり笑ったり。

「ヘヘヘ、TVはいいなって」

――TVも痛し痒しというか、面倒なこともありますよ。

「厳しい世界ですよね」

――口の悪い人の目にも入るわけで。

「ああ……怖いですね」

――そういう反応は気にしますか?

「反応は気にしちゃいますね。でもTwitterとかやってないので、ファンの人とお話する以外のみなさんの声はわからないので」

――ネット上の反応は目に入らない。気にする人だったらそのほうがいいかもしれないですね。

「すごい気にしちゃうんですよね」

――直接の意見だったら、もっと平和なものしかないはずですからね。じゃあSNSはやらないほうがいいかもしれない。

「フフフフ、たぶん向いてない理由はそれだと思います」

――心の強い人以外はエゴサーチやっちゃダメですからね。ボクは大好きですけど。

「心がお強いんですね」

――あとはインタヴューでもうちょっとしゃべれるようになりたいとかあったりします? 今日はけっこうしゃべれました?

「どうですか?」

――かなり頑張ったと思います。みんなが〈むぅたん大丈夫かな〉って心配してましたからね。

「みんな緊張してると思うんですけど、私は固まっちゃうので。さっきも安部さんに、〈怖いよ怖いよ〉って言われてここ入って来ました」

――なんで脅すんですか(笑)。安部さんのほうが怖いですよ!

「すごい怖い顔で〈怖いよ〉って言われました。全然そんなつもりなかったです」

――安部さんよりは優しく話してますよ!

「全然優しいと思います」

――じゃあ、これからもRYUTistを続けていってくれるのを楽しみにしてます。

「はい! ありがとうございました」