リーダーが私じゃなくて良かった
――ほかのアイドルを見て、どういうふうに思うんですか?
「エビ中さん(私立恵比寿中学)が好きで、観て勉強してるところもあるんですけど、基本はいちファンとして。安本彩花ちゃんが好きなんですけど、〈あやちゃーん!〉って言って観てます」
――安本さんいいですよね。
「大好きです!」
――いい子ですよ。
「いい子ですか……あぁ……ホント、メンバーにも気持ち悪いって言われるくらい本気で好きで」
――安本さんとお父さんの関係が好きだったんですけど、〈最近ちょっと父と距離を置こうと思って〉とか言われて、大人になってきたんだなって。
「フフフフ、20歳を過ぎましたもんね。お父さんがマネージャーさんみたいな存在で」
――お父さんのプロデュースによって動いてきた人が。
「お父さんと距離を置いちゃうなんて……大人になりましたね」
――ちょっとずつみんな大人になってきて、ただ仕事で絡んでも皆さん平和でいいですよ。
「わかります。平和な感じが好きですね」

――ちなみにRYUTistの平和な空気はどうして保たれてるんだと思いますか?
「みんなが優しい。意地悪する子とかいないからっていうのもありますし、リーダーがのほほんとしてるので、それで平和なのかなって思います」
――アイドル・グループはリーダーの色が出るっていうのがボクの持論であるんですけど、むぅたんがリーダーになるかもっていう話があったのは本当なんですか?
「私もそれ知らなくて、本で読んだんですけど。私じゃなくて良かったなって思いますね。最年少だったので」
――ありえないですよね、最年長から最年少にリーダーが替わりますって(笑)。
「絶対に違うと思って。私だったら絶対ダメだったなって思います」
――しっかりしてると思われてたんですかね?
「わりとしっかりしてるって言われることは多いんですけど、そんなことはないと思いますね。リーダーなんて私には背負えないです」
――RYUTistって運営には悪そうな空気のある人がいて、配信番組でもその人が悪そうな口調で話してたりするのに、ずっと平和な空気のままじゃないですか。
「平和ですね」
――最初に絡んだときから、ずっとこの平和な空気のままで。みなさんそれなりに年齢も重ねてきてるのに、これはなぜなんだろうって今回も皆さんに聞いてるんですけど。
「悪い子がいないからです」
――新潟で杉作さんと定期的にイヴェントやってたとき、基本いつもライヴ・ゲストとしてRYUTistと一緒だったのが、1回別のグループになって、すごいやりづらかったんですよ。ボクと杉作さんもすごいモヤモヤして、そのイヴェントが終わった後でRYUTistが挨拶に来てくれて、控室で会話したときに〈これだよ! この素朴な反応が欲しかったんだよ!〉ってなったんですよね。
「うれしいです。最初の頃はずっと緊張してて、でもトーク・ライヴでちょっとは話すことに慣れたのかなとは思います」
――全然問題ないと思いますよ、ガンガンしゃべることは求めてないんで。ほどよい反応してくれればそれでよしっていう。
「ほどよい反応してましたか?」
――してました、大丈夫です! 最初は怖かったんですか?
「豪さんとJさんですか? 怖かったっていうか、すごい大人の方がいらっしゃるなって」
――年齢差はとんでもないですからね。なかなか50過ぎの男性と絡むこともないだろうし。
「お話して怖いとは全然思わなかったです。おもしろいなと思ってずっと聞いてました」
RYUTistの武器……ありますかね?
――最近になってハコムス(ハコイリ♡ムスメ)と絡んだりしてるじゃないですか。ああいう正統派アイドル・グループと絡むことについては、どんな思いがありますか?
「ハコムスさんはお友達みたいな感じで仲良くなれて、アイドルさんのお友達が出来た感じでうれしかったです」
――そういうことっていままで全然なかったんですか?
「フフフフ、なかったですね。共演させていただいても、多くても2回とか3回ぐらいで、レーベル・メイトで何回もライヴするっていうのがなかったから」
――イヴェントもやったり音源も出したりっていう初めてのパターンで。
「それで仲良くなれたかなって思います」
――単純に、あのレベルの全員かわいいグループと絡んで劣等感とか感じたりしないかなって。ボクが同じ立場だったら〈無理です、並べないです!〉みたいになると思うんですよ。
「並べないって思いました。だってみなさんホントに……」
――顔面偏差値が高すぎるじゃないですか。
「高いですよね、顔も小っちゃいし。すごいキラキラしてるなって思いました」
――これが本物のアイドルだっていう感じで。
「本物でした。私たちは田舎みたいな、荷物も多めでモサいなと思って。ハコムスさんはみんな小っちゃいバッグで来てて、ホントのアイドルさんだな、キラキラしてるなって思いました」
――アイドル好きとしては、それはそれで高まる部分もあり。
「はい。友達が出来てうれしかったです」
――そういうのを見てRYUTistはどういう土俵で闘おうって思うんですか? 私たちの武器はなんだろうとか。
「武器……ありますかね?」
――いっぱいありますよ!
「楽曲……でもハコムスさんも楽曲いいですもんね。武器ありますかね?」
――いっぱいあると思いますよ。練習量に裏打ちされたクオリティーは間違いなくあるし。
「ダンスとか歌とか?」
――ダンス、歌、そこにクオリティーの高い曲もあり。それはふつうに勝負できるレベルだと思いますけど、自分たちでは武器とまでは思えない感じなんですかね?
「楽曲がいいのはホントに武器だと思います。だけどハコムスさんも楽曲はいいし、かわいいし、歌もダンスも上手だし。そうなると武器ってどこだろうって……」
――思っちゃいましたか。
「思っちゃいました(笑)。ゆるキャラとかですかね?」
――え! そこで勝負?
「地元? 新潟とか」
――RYUTistのゆるキャラへのこだわりも正直、謎ですからね(笑)。
「ずっと一緒にいますけどね」
――なぜそこまで頑なに、ゆるキャラのPRをするのか。
「かわいくて安心するんですよね」
――もっとビジネスとしてガッチリとコラボとかしてるならわかるんですけど。
「そんなにしてないっていう(笑)」
――それでも強制的に紹介したい。
「フフフフ、そうなんです。だからドーンとやってお客さんが盛り上がってくれるのが気持ちよくて。それで助かってる部分もありますね」
――盛り上がってるっていうか、みんな〈ああ、こういうものだから〉でやってる感じはありますよね。数少ないMCの時間をなんでゆるキャラ紹介で埋めてるんだろうっていう。
「でも、話すよりはゆるキャラを紹介してたほうが安心はしますね」
――トークが苦手なんですか?
「苦手です」
――ふつうに話してればいいんだと思いますよ。
「考えないで話しちゃうことがたまにあるので、終わりが見えなくなっちゃうんですよね。思ったことをポーンと発しちゃうので、いまの言ってよかったかなって思うことはけっこうあります。みんながいるから助かってるところはありますね」
――フォローを入れてくれる人がいれば大丈夫だと思いますよ。
「ひとりだとたぶん〈ブレーキ、ブレーキ!〉ってしちゃうから」
RYUTistに骨を埋める覚悟です
――活動では何が一番楽しいですか?
「ライヴもそうですけど、ファンのみなさんと特典会でお話しするのは楽しいです。いろんな感想を聞かせてくださったり、細かいことに気づいてくださる方がいらっしゃって、楽しいなって思いながらお話ししてます」
――基本、しゃべりたい人ではあるわけですね。
「人と話したいっていうのはあるんですけど。でも、自分からは……話せないかもしれないです」
――これまでの活動で壁にぶつかったみたいなことはありました?
「壁は……いまもなんですけどダンスが苦手で、ダンスはいつも苦戦してます。足を引っ張っちゃってるかなって思います」
――そんなにダメな印象はないですよ。
「そうですか、自分ではけっこうダメだなって思います」
――進路で迷う瞬間はありました?
「迷い……ました。大学に行きたかったんですけど学力がなかったので(笑)、行けなかったです」
――RYUTistに入ってから学力がなくなっちゃったんですか?
「小学校のテストはけっこう100点でした。でも、中学校ぐらいから難しくなってきて、勉強もしなくなって(笑)。高校もそのまま学力が低いところに行っちゃったので、学力なくなりました」
――なるほど(笑)。大学は行ってみたかった?
「ずっと行きたいなと思ってて。でも、よく考えたら行くための勉強してないなって思ってあきらめました」
――ボクも大学には行ってませんから。
「一緒ですね(笑)」
――専門学校は行きましたけど。
「私も専門学校に行きます。音楽の専門学校に入学することになりました」
――つまり学校でもレッスンを受けるような状況になるんですか。
「そうですね、レッスンを4月から始めて」
――それはRYUTistに骨を埋める覚悟の選択なんですか?
「フフフフ、もちろんです。歌をもっと勉強したいなって思って」
――相当勉強してると思いますけど、まだまだ?
「そうですね、音符が読めないので」
――ともちぃだけが読めるんですか?
「みくちゃんも読めるんですかね。私は9年間ピアノやってたんですけど楽譜が読めなくて。だから音楽の専門学校に行ってそういうのを覚えたり、RYUTistだとほかに3人しかいないですけど、クラスの子の歌を聴いて勉強できたらいいなって思います」
――すごい向上心じゃないですか!
「フフフフ、頑張ります(笑)」
ワイプの端っこでリアクションする人になりたい
――この先の目標は何かありますか?
「目標は……もっとたくさんの方に知っていただかなきゃなって思います。まだまだ新潟の方でも知らないと思うので。Negiccoさんみたいにすぐ〈あ!〉ってわかってもらえるようなグループになりたいです」
――それには何が必要なんですかね?
「何が必要なんだろう……なんですかね?」
――いい流れにはなってるはずなんですよね。順調に上がってきている手応えは感じてます?
「前よりは。いろんなところにも取り上げていただいたりしてるので。シングルを出すのが発表されたときもいっぱいいろんなところからバーンって情報が出てたので、注目してくださってるのかなって思います」
――わっかーが辞めたときに、アイドルをやってる以上は地元で地道にやって一部の好き者が評価しているだけでは活動を続けるのは難しいんじゃないか、もうちょっと階段を上がっていっているような実感が得られないと……って話をしていて。そういう意味ではPENGUIN DISCが出来て、階段を上がれてる感がちゃんと出るようになってると思うんですよ。
「はい、このまま階段を上がって……」
――そうなればいいんだと思います。何かしたい仕事とかありますか?
「したい仕事……あんまり考えたことないかもしれない……なんですかね?」
――あの番組に出たいとか、もっとゆるキャラと絡みたいとか。
「TVにはいっぱい出てみたいです。観るのが好きなので出てみたいなって」
――それは、どういうポジションで?
「え、観る人?」
――観る人(笑)。ワイプでリアクションする人?
「端っこで大丈夫です」
――スタジオで拍手したり笑ったり。
「ヘヘヘ、TVはいいなって」
――TVも痛し痒しというか、面倒なこともありますよ。
「厳しい世界ですよね」
――口の悪い人の目にも入るわけで。
「ああ……怖いですね」
――そういう反応は気にしますか?
「反応は気にしちゃいますね。でもTwitterとかやってないので、ファンの人とお話する以外のみなさんの声はわからないので」
――ネット上の反応は目に入らない。気にする人だったらそのほうがいいかもしれないですね。
「すごい気にしちゃうんですよね」
――直接の意見だったら、もっと平和なものしかないはずですからね。じゃあSNSはやらないほうがいいかもしれない。
「フフフフ、たぶん向いてない理由はそれだと思います」
――心の強い人以外はエゴサーチやっちゃダメですからね。ボクは大好きですけど。
「心がお強いんですね」
――あとはインタヴューでもうちょっとしゃべれるようになりたいとかあったりします? 今日はけっこうしゃべれました?
「どうですか?」
――かなり頑張ったと思います。みんなが〈むぅたん大丈夫かな〉って心配してましたからね。
「みんな緊張してると思うんですけど、私は固まっちゃうので。さっきも安部さんに、〈怖いよ怖いよ〉って言われてここ入って来ました」
――なんで脅すんですか(笑)。安部さんのほうが怖いですよ!
「すごい怖い顔で〈怖いよ〉って言われました。全然そんなつもりなかったです」
――安部さんよりは優しく話してますよ!
「全然優しいと思います」
――じゃあ、これからもRYUTistを続けていってくれるのを楽しみにしてます。
「はい! ありがとうございました」