冒頭の“エミリーと15の約束”から奥深いドラマ性を帯びた歌唱が突き刺さる3年半ぶりのフル・アルバム。タイトルが示す通りに疎外された側からの眼差しとそれゆえの目線の優しさは、切迫した“パラノイア”や“ミミズ”のように感情の迸る楽曲はもちろん、刹那的な“MONSTER PARTY”のようなアップでも通底している。自作でも作家陣の曲でもすべて自身の世界で包む支配力は圧巻で、さらにアレンジにも関与した曲ではエレクトロ・スウィング調の“ワンダーランド”など従来のバンド・サウンドに限定されないトライを見せているのも興味深い。切実なバラード“マッシュルーム”など中盤以降の入り込み具合も凄まじいなか、haruka nakamura作のピアノ・ロック“グラマー”が素晴らしくエモーショナル。