結成10周年を迎えたウィークエンド・ソウル・バンドが、いつもより少しだけシリアスな顔を覗かせる3枚目のオリジナル・アルバム。ソウルフルなヴォーカルと曲ごとにさまざまな表情を見せるホーン・セクションはそのままに、まずはオルガンの音色と〈罪深い僕らを包み込んで〉という歌詞がゴスペルな雰囲気を醸し出す冒頭の“同じ夜を照らす”が印象的。チカーノ・ソウル風の“繋がったミュージック”、中盤のダンス・ゾーンを経て、アフロ・テイストの“それはかつてあって”でも〈目を瞑らずに祈って〉と、やはりどこかシリアスだ。いや、彼らはこれまでも真摯なメッセンジャーであったし、時代の暗さがバンドの内包するエネルギーを際立たせているだけなのかも。さあ、光を分け合い、パーティーを続けよう。