ライナーノートによればヤン・ガルバレク(サックス)とヒリアード・アンサンブル(四声)が初めてセッションを行ったのは1993年、オーストリアの教会だったそうだ。そのとき居合わせた誰もがまさか、三枚のアルバムをリリースして20年以上が経った今、またアルバムをリリースしてツアーに出るほどに世界に受け入れられるとは想像できなかったという。この最新作はアルメニアの作曲家コミタスから始まってスコットランドの謡で終わる。深いリヴァーブに包まれた五人の紡ぐアルカイックな音楽が録音されたのは2014年。何が新しく何が古いのか、という問いが虚しく響き、何かが息を吹き返す。