INTERVIEW

SMOKIN'theJAZZ『SOME JAZZY STEEZ』 話題のトリオが伝えるジャズ×ヒップホップの気持ち良さとは?

SMOKIN'theJAZZ『SOME JAZZY STEEZ』 話題のトリオが伝えるジャズ×ヒップホップの気持ち良さとは?

 ブラジリアン・ジャズ・バンド、Immigrant's Bossa Bandのパーカッショニストとして活動していたNOBUdaDREADを中心に結成されたSMOKIN'theJAZZ。ユニットのそもそもの始まりは、NOBUがそのプランを形にするべく周囲に配っていたCDだったという。

 「もともとヒップホップのDJからスタートしたんで、やっぱヒップホップやりたいなって。それで〈いまこういうのやりたいんだよね〉っていう(曲を集めた)CDをいろんな人に配ってたんですよ。そのなかで釣れたのがShuで(笑)。スガちゃん(Sugames Japon)はImmigrant's Bossa Bandで10数年一緒にやってて気心も知れてるから、それで声かけて」(NOBUdaDREAD)。

 初のリリースとして2018年末に7インチで届けたザ・ルーツ“Silent Treatment”のカヴァーは、活動にあたって何をおいてもまず最初にやりたかったことだそうだが、そこにも窺える90年代ヒップホップとジャズを融合した音楽性はまた、かつて日本でも人気を博したDJカムがDJカム・クァルテット名義で残した作品に触発されたものでもあるという。

 「ジャズ的要素もありつつ、ループの気持ち良さもしっかりあるっていうバランス感覚。みんなが即興しまくるわけではなくて、ワビサビの利いた感じがイイよねっていう。そこはいつも頭にあるかもしれない」(Sugames Japon)。

SMOKIN'theJAZZ SOME JAZZY STEEZ Loud Minority Productions(2019)

 2019年夏の初アルバム『The Initial Impulse』から半年を待たずに発表となったニュー・アルバム『SOME JAZZY STEEZ』も、そんな発言が大いに頷ける一作だ。初期衝動の賜物という前作の延長で〈やりたいことを思いっきりやる〉ことだけをコンセプトに、どう気持ち良く曲のグルーヴを着地させるか——そこにひたすら心を砕いて彼らはセッション。F.I.B JOURNALの山崎円城や真船勝博、タブゾンビ、島裕介といった名うてのプレイヤーをはじめ、3人が信頼するミュージシャンたちもそこには欠かせなかった。

 カナダから参加したラグスのポエトリーが福島健一の饒舌なサックスと共にクールに舞う“We Walk with Lions”、情感豊かなソロを紡いでみせるShuのギターとSugamesの鍵盤に要所で絡むコスリもハマった“Don't Wanna Stop”、ヘヴィーなソウル・ジャズにグルーヴ渦巻く“GON' GET FUNKY”、Shuのギター・リフから曲に発展したという“Summer Vibez”、さらにはサンプリングの定番ネタとして名高いジェフ・ローバー・フュージョン“Rain Dance”とスヌープ・ドッグ“Tha Shiznit”という7インチでも発表済みの両カヴァー……。さらに、曲調を広げた本作の中でも、大神:OHGAがマイクを握った“Self Love”は、「子どもを持つお父さんたち、夢を諦めた人、まだ夢を見てる人も含め、刺さるリリックだと思う」(NOBUdaDREAD)とメンバーが揃って胸を張る曲ともなっている。

 「ジャズの解釈も広がるなかにあって、俺たちは小難しくなくて、誰でも気持ち良く聴けるものでありたいと常に思ってるし、ジャズを壊していきたい。実は高度なことやマニアックな細かいこともやってるけど、絶対に難しいことをやってるようには聴かせたくないし、でもチャラいものにはしたくないってところで戦ってるんです」(Sugames Japon)。

 「ファーストのCDをライヴの時に売ったりしたんですけど、その時自然に俺が言ってたのが〈ドライヴの時にイイんで聴いてください〉みたいなことで。ホントそんな感じで聴いてもらえればいいし、自分でもカッコイイって思いながらやれてるので、聴く人にもそう思ってもらえたら嬉しいです」(Shu)。

 「とにかくポジティヴな何かを与えられればそれでいいのかな。シンプルに〈作りました。聴いてくださいっ!〉みたいな感じで」(NOBUdaDREAD)。

 


SMOKIN'theJAZZ
Sugames Japon(キーボード)、Shu Fujiyama(ギター)、NOBUdaDREAD(ターンテーブル/プログラミング他)から成るユニット。2018年12月に初音源となるディスクユニオン限定の7インチ『The Initial Impulse EP』を新レーベルのLoud Minority Productionsからリリースして話題を集める。今年に入って3月に『Some Jazzy Steez EP』、6月に『Keep It Trill EP』と立て続けに限定7インチをリリースし、7月にファースト・アルバム『The Initial Impulse』を発表する。11月に先行シングル『Some Jazzy Steez EP #02』を発表したのに続き、このたびセカンド・アルバム『SOME JAZZY STEEZ』(Loud Minority Productions)をリリースしたばかり。

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