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さまざまに拡散しているセローン・サウンドの影響

 そもそもセローンの音楽性自体がシンセ・ポップ的な電子音楽からドラマーらしいアフロやファンクへの意識など多岐に渡っている。具体的にサンプリング例が多いのはボブ・サンクラー“I Feel For You”やモジョ“Rollercoaster”といったフィルター・ディスコ~ハウス寄りの面々となるが、純粋にユーロ・ディスコ~電子音楽~ハウスの祖という観点から彼を広くイメージすれば、もちろんダフト・パンクやアラン・ブラクス、ディミトリ・フロム・パリらがレジェンドから否応なくDNAを受け継いでいるのは言うまでもない。で、その影響に国境はなく、先日セローン曲のリミックスを手掛けたリンドストロムはかつて“Supernature”を明らかに意識した大曲“Where You Go”を発表していたり、DJコーツェが“Come We Go”でコンガスを印象的に使用していたり、ジョルジオ・モロダー同様にさまざまな音楽の源泉となっているのだ。なお、ビースティ・ボーイズ“Paul Revere”やLLクールJ“Rock The Bells”など無数の楽曲にネタ使いされて著名な“Rocket In The Pocket”のライヴ音源はディスコ云々とは違う観点でのサンプリングだし、アヴァランチーズは“Love In C Minor”を『Since I Left You』(2000年)内の複数の曲で用いていたりもする。 *狛犬

 

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